ずーーーーっと前に買ってあったカミュ。

「いつか読んでみたいなぁ、気が向いたら」って感じで。



突然「!」って思って、読みました。

急に気が向いたらしいです。


異邦人_カミュ


不条理モノって言われるけど、全然不条理じゃないよ。

正直なお話だと思いました。



自分に、自分のおかれた状況に、ピンと来ないというか、

so what…?な気分の時ってあるもので。

「そういう時もある」じゃなく、ずっとそうである人もいるだろうなと。

喜びや悲しみを感じることを暗黙に期待・強要される場面で、

いまひとつそれを感じることが、あるいは表現することができず、

ひそかに違和感を感じつつ、居心地わるく生きている人。

(ゆえに「異邦人」っていうタイトル、秀逸!と思う)



そういう人が行きがかり上人を殺さざるをえない羽目になって

(そういう羽目になっちゃダメなんだけど)、

それを「どうして、なぜ?動機は?」と追及されたら、

「太陽がまぶしかったから」とか言っちゃっても、不条理ではない。

…という気にさせる小説でした。



しっかし、善悪…というか、倫理ってなんなのかと。

当り前のようにそれに沿って生きているけれど、

倫理・倫理感というのは不思議な、曖昧なものですよね…。

ある意味、とても嫌なハナシではあります。。

裁判員制度もはじまるしね。

考えさせられます。




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