ちょっとエロ妄想に走りすぎたんじゃないかと思いました。



ちょいネタバレあります。

バレたからどうって感じの小説ではないんですけどね。



石田衣良_夜の桃


いや、別にエロ描写についてはいいっちゃいいのです。

設定が、あまりにおやじ妄想炸裂すぎて…引き気味。



40代・デザイン会社経営・青山に妻と二人暮らし・妻(←上品系)はフラワーアレンジメントの先生・広告代理店勤務の愛人(←ビッチ系)あり・趣味で友人とバーを経営。



って主人公像だけで突っ込みたくなるのに、

そこに会社にアルバイトにきた20代の女の子(←しかも処女)が

「私、年上の人じゃなきゃだめなんです。抱いてください」ときたもんだよ?



女子として、引くでしょーーー!



ワタシの脳内では、

「家に帰ったら樋口可南子がいて、

たまに藤原紀香と、妻とは出来ないようなことして、

さらに蒼井優と禁断の恋におぼれてみてーなぁ」

と妄想する石田衣良さん、の図になってしまっている。



おそらく、40代男性の性的な焦りとか、それからくるセックス観みたいなものを

テーマにしたかったのかもしれませんが。

それはそれで挑戦的だと思うんですが。



エロ描写を重視しすぎた結果、

まずは主人公の心理描写が浅くなりすぎて、主人公を好きになれない。

しかも登場うる女たちの心理が、女としてよくわからない。



まさかこんな都合のいい女いないだろう…と、

最後になにかどんでん返しか?と期待したけど、そーでもないし。



下の説明には「格差社会」がうんちゃかんちゃら、とか書いてるけど、

ぜんぜんそんなキレもないし。

単に、その蒼井優ばりのかわいい子が、可哀想な境遇なだけじゃんかー!



いまいち好きになれないおっさんが、

あっちこっちでやりまくってるのを読まされてもなぁ、という感じ。

表現に品がなくて恐縮ですが。。



特にエンディングは。

「この男は…(怒)」と思いました。

結局は、女なら誰でもいいのか、やれれば!

今までの言い草は、なんだったんだ!!



これ、小説じゃなくて誰かのゴシップだったらまだマシだけどなぁ。

「ひどいよー」っていいながら、笑って聞けるんだけど。

(でも、子供つくり逃げは絶対にいけません!!)






▽「夜の桃」石田 衣良

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お願いします、年上の男の人じゃなきゃ、だめなんです。

数億円のローンを組んだ家、高性能なドイツの車、イタリア製のスーツ、スイス製の機械式腕時計、広告代理店勤務の可愛い愛人……すべては玩具にすぎなかった。幸福にも空虚な日々に流される男が出会った、少女のような女。その隠された過去を知り、男は地獄のような恋に堕ちた。東京のニュー・バブルの中で、上下にちぎれていく格差社会に楔を打ち込む、性愛。デビュー10周年の著者が挑む、渾身の恋愛長編。