こないだの直木賞を受賞した作品。
美しい作品だと思います。
舞台となる小さな島の情景、たおやかな方言。
周りになじまない孤高の男と、やさしく自由な夫。
奔放で恋愛濃度の高い女友達と、繊細でストイックな主人公。
なかなか、素敵な構図です。
作者は何かのインタビューで
「恋愛の心の動きを丁寧に書きたかった」と言ってました。
たしかに丁寧です。
何も起きないけれど、男に惹かれる主人公の心の動きはよくわかります。
で。
私が思うこと。
主人公、ワタクシどもと同年代だと思うんだけど、
すんごい、しっとりしちゃってるなぁって。
やっぱり、年配の方がかいた30代女子だから?
彼らが30代の頃は、
三十路女子ってこんなにしっとりしてたのかしら?
それとも、閉鎖的な島に住んでるとそうなるのかしら。
うーん…。
特に最後のほうは、主人公の行動が屈折していて
正直、あんまり理解できなかったです。
でも、
文体や情景描写の美しさを楽しめたから、いっか。
- ¥1,575
- Amazon.co.jp
静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所のこと。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった美しい切なさに満ちた恋愛小説。