やばい。

読了してからちょっと時間がたってしまって

細かいところをちょっと忘れてしまった…

しかも図書館に返却してしまって思い出す術がない。

すごく面白かったのに!

覚えてる範囲で記録します。



※今TBSでやってるドラマとは関係ないですよ。



ファシズムがテーマではない、とあとがきで著者は言っているけれど、

ファシズムとの対決をモチーフにしている以上、

政治的な表現や、もしかしたらそこから来る誤解は免れないわけで。

「勇気あるなー!」というのが率直な感想。



前半は、扇動的な政治家と対決する兄の物語。

後半は、その兄と深い心のつながりを持つ弟の物語。

捨て身で立ち向かっていく兄の、外向きの熱と、

ただ空を見上げながら兄の存在を感じる弟の静かさ。

対比的だけど、奇妙な形でつながっていくのです。



うまく言えないけど、前半のテーマは「考えろ」なんですよ。

大事なことは「考えろ、マクガイバー」なんですよ。

(読んでないとわけがわからないね…笑)

前半での兄の眼からみた弟嫁のイメージと、

後半での、語り部として描かれる弟嫁だって、

実はちょっと違っているわけで。

あれだけ「考えろ」な兄でさえそうなわけで。

そう考えると、人間って、思い込んで生きてる生き物なんだなーと。

だからせめて、兄は「考えろ」なんだろうなーと。

後半のテーマは…何だろう、難しいな。

「立ち上がれ」かな。この弟にして、皮肉なことに。

皮肉を含めたうえでの、「魔王」。



ちなみにこんときに読んでたヤツ が、この「魔王」です。

こんな感じの文体なんですよ。

アヒルと鴨のコインロッカー 」 や「死神の精度」 とは

雰囲気が全然違うけど、全体的にはやっぱり伊坂さん。

面白い作家さんです。




▽「魔王」伊坂 幸太郎

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