たまにはラブストーリーでも読もうかなーと本屋に入ったのに。



ひとの首の後ろにスイッチがあって、

それを押したら消えてしまったらいいのに…。

マジメなのに、マジメだからドロップアウトしてしまい、

スイッチを押してみんな(自分も)消してしまうことばかり

空想している主人公。



選ぶ本が暗いぜーーーーー!(笑)




しかしなぜか鈴木嬢がオビの推薦文。

「わかる」のか!芸能人なのに、わかっていいのか!?



だって、この主人公。

ひねくれてて、貧乏で、処女で、友だちいなくて、暗くて、

後ろ向きで、皮肉屋で、やる気なくて(同じか)、

本当は小説を書きたかったのにすっかり諦めてて…

とにかくなーんにもないんです。



えーって思うような主人公だけど、

物語は主観で進むせいか、うまく気持ちに乗ることができました。



唯一、どうやらちょっと美人らしい…

そこがちょっと中途半端かもしれません。

だって、ダメダメでも意外にモテちゃうんだもん。

そこが共感できない(笑)



まぁ、主人公はダメダメながら、恋をして変わっていくわけです。

なかなかいい話ですよ。




ただ、ワタシ自身は、

本当はこういうのに触れてはいけない人種なんですよねー。

「ブリジット・ジョーンズ」とかも。

ダメダメな自分でもいいんだ~…って思えちゃう要素のあるものは、

ぜったいに引っ張られるから、鬼門なんです。異常なずぼらだから。

現実には、ダメダメでいいわけがないのだ!!進まねば!!

…と改めて自分に言い聞かせてみる。



オビウラは柴門ふみさん。

「この作品は、平成ニッポンの『ライ麦畑でつかまえて』であります。」

とのこと。ご参考までー。

ワタシはライ麦畑を読んでいないフトドキモノなのですがね。




▽「スイッチ」(宝島社文庫 607)/さとう さくら

¥480
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26歳。フリーター。恋人なし。処女。勉強はできるのに、就職できず、バイトさえもクビになる。男にもなぜか引かれる。そんな苫子はいつも夢想する。人の首の後ろに苫子にだけ見える「スイッチ」があって、それを押すとその人を消せる――。喫茶店のサル男、ギャル清掃員、おしゃべりおばちゃん……不思議な人々との関わりから、苫子は少しずつ変わっていく。第1回日本ラブストーリー大賞審査員絶賛賞受賞作品。待望の文庫化。