今回は早めの更新!この調子でがんばろう。
今回紹介する作品はこちらA Long Way Down
こちらは2014年に映画化された作品です。日本での公開はまだのようです。
ただ日本語訳された本はすでにあるようです→こちら ア・ロング・ウェイ・ダウン
作者はこの以前このブログでも紹介したAbout a boyの著者Nick Hornbyです。
この方の書く本は扱うテーマが重くても、非常にユーモラスで軽快な語り口です。
今回は自殺をテーマとした作品で、またしても重いテーマですが、独特の軽快さとテーマの本質を鋭く突く見事な作品となっています。
A Long Way Down
ジャンル:現代文学
ページ数:368ページ
難易度:6.5点/10点
4人の主人公たちがそれぞれ過去を語りながら物語が進行して行くため、洋書初心者の方には若干難しく感じるかもしれません。しかし文体自体は平易で、複雑な表現はないため場面の切り替わりにさへ注意していれば、簡単に読み進められると思います。
海外での評価:
2014年映画化
【あらすじ】
4人の全く経歴の違う人たちが大晦日の夜に偶然同じ場所で自殺しようとする。スキャンダルに悩む司会者、重い障害を抱える母親、バンドにも彼女にも見捨てられたロックミュージシャン、人格障害の少女。
この4人が共通の想いで偶然出会うとき、それぞれが自分の過去と死についてもう一度見つめ直す。。。
【感想】
今回の作品は自殺をテーマにしたものです。冒頭でも書きましたが、Nick Hornbyの手にかかるとこの重たいテーマもなぜか笑いながら読めてしまいます。
しかし、ただ面白おかしく書いてあるだけではないとことが、この著者のすごいところです。
それぞれに個性の全く違う登場人物たちが、なぜ自殺まで追い込まれて行くのか、共通している事項が徐々に浮き彫りになります。
私はこの浮き彫りになった真実に対して、なぜ自分はこの世界で生きているのか?と自問してしまいました。
登場人物たちが自殺まで追い込まれる過程は、なにも特別ことではない。むしろそんな世界がおかしいのでは?
笑いながら読んでいたはずが、読後は答えのないきつい質問を叩き付けられたような衝撃を受けます。
About a boyを好きな方なら、必読です!または、重いテーマを洋書で読んでみたいが、難しく読み切れるか不安と思っている方も是非トライして頂きたい作品です。
商品の購入、他のレビューも読みたい方はこちらでも見れます→A Long Way Down