さて、目的の映画というのは、シネスイッチ銀座での上映が終了間際で、スケジュール的に今日を逃すともう無理だったので、時間を確認してやってきた。
「戦場でワルツを」は、イスラエルのレバノン侵攻、中でもサブラ・シャティーラの虐殺というイスラエル史上の大汚点を回顧する、なかなかに深刻なテーマを描いている。
アリ・フォルマンという監督自身の当時(19歳)の体験が下地になっていて、封じ込めた記憶の過去へと向かう旅が、主にアニメーションで映像化されている。
このアニメーションが不思議で、実景を若干ぼかしたような、現実と仮想の中間にいるような感覚を覚えさせる。人物の顔もかなりリアルなのに、どうも身体とのバランスがおかしいというか、顔が大きめで人形のような印象を与える。大きいといってもこまわり君ほどではないが。
記憶の掘り起こしは極めて冷静、真摯な姿勢が見てとれるが、本当に何が起きたのかということよりもむしろ、こうした取り組みをし続けること自体が、事件への誠実な向き合い方を示しているように思った。
最後に、当時のドキュメンタリー映像、しかもかなり生々しいのが出てきて、相当に考えさせられる。
アカデミー外国語映画賞を「おくりびと」と争ったのが本作品であったということだが、「おくりびと」を否定するわけじゃないけれども、同じく人間、生と死がテーマでも、こっちのほうが余程良かったんじゃないだろうか。
英語題は《Walz with Bashir》。邦題はいまひとつピント外れではないか。
「戦場でワルツを」は、イスラエルのレバノン侵攻、中でもサブラ・シャティーラの虐殺というイスラエル史上の大汚点を回顧する、なかなかに深刻なテーマを描いている。
アリ・フォルマンという監督自身の当時(19歳)の体験が下地になっていて、封じ込めた記憶の過去へと向かう旅が、主にアニメーションで映像化されている。
このアニメーションが不思議で、実景を若干ぼかしたような、現実と仮想の中間にいるような感覚を覚えさせる。人物の顔もかなりリアルなのに、どうも身体とのバランスがおかしいというか、顔が大きめで人形のような印象を与える。大きいといってもこまわり君ほどではないが。
記憶の掘り起こしは極めて冷静、真摯な姿勢が見てとれるが、本当に何が起きたのかということよりもむしろ、こうした取り組みをし続けること自体が、事件への誠実な向き合い方を示しているように思った。
最後に、当時のドキュメンタリー映像、しかもかなり生々しいのが出てきて、相当に考えさせられる。
アカデミー外国語映画賞を「おくりびと」と争ったのが本作品であったということだが、「おくりびと」を否定するわけじゃないけれども、同じく人間、生と死がテーマでも、こっちのほうが余程良かったんじゃないだろうか。
英語題は《Walz with Bashir》。邦題はいまひとつピント外れではないか。