ホルモンはそこそこに、いったん一人でまた外出。
母校の講堂で、JR東の副社長の講演があったのを聴く。
導入:
Suica事業にも大きく関わってきたが、その話は椎橋(章夫)博士が学園祭でしたことでもあるので、視点を拡げてみた。
(余談)鉄道会社の面接でマニアは落とされるというのは伝説。しかし私は仕事以外の時は鉄道から離れたい、と(笑)
1.世界、日本における鉄道の発達(産業史として)
1765 標準軌(1435mm)の登場
1804 リチャード・トレビシックの蒸気機関車 (Penydarren号。このときは標準軌ではなかった)
1825 ストックトン-ダーリントン間に「ロケット号」(ジョージ・スチーブンソン)
2.交通機関としての鉄道の特徴
鉄のレールと鉄の車輪(粘着方式)
専用(占有)鉄道 exclusive guideway
大量、定時、安全
3.日本の鉄道の特徴
サービス財として137年の歴史。「提供は真実の瞬間」
・運営環境
人口密度の高さ 東京はパリの1.5倍、ロンドンの3倍
企業からの通勤定期代の支給
・運行形態
中央快速のピークは2分に1本、9万人/hを輸送
首都圏の駅は1454(1平方kmあたり0.2駅)、116路線
ターミナルが少ない、相互直通運転 (上野-東京間 2013年直通予定)
・経営
民間鉄道は全国に189社 歴史的に民間セクターでインフラ整備 (民営鉄道→国有化→JR各社)
上下一体、株式上場(東、海、西)、電車が発達、技術開発(新幹線、リニア、etc.)
アメリカは貨物会社が多い(旅客は公社=Amtrak)
4.国鉄改革(1987年4月1日、JRへ移行)
・破綻の原因
経営自主性の喪失、責任の所在あいまい、意思徹底の不十分
(戦後に引揚者など吸収し、昭和22年の職員数61万、30年代43万、61年22万。現在7社で13万5千人)
・改革の概要
水平分割(上下でなく) 意識改革(お客様第一、サービス向上) 労使協力での効率化
・成果
営業収益 1兆8千億→2兆7千億
純利益 500億→1900億
22年間値上げせず(消費税改定を除く) 3島会社は95年に1回
東京圏の輸送力3割増 事故7割減
補助金6000億→税金3900億 (約1兆の差)
5.JR東日本の現状
生活サービス事業 22年で3割にまで
小売業(ルミネ、アトレなど) 1兆以上(全国8位)
広告 1040億(6位)
Tokyo Station City 品川車両基地再編で10~15ha再開発
6.経営の最重要課題「安全」
1日あたり1685万人、71万キロ
信号確認120万回 ドア開閉600万回 踏切70万回
安全投資は22年で2.2兆円
7.日本の鉄道技術
(1)高速性
鉄道開通時の表定速度32.8km/h→E5(はやて)2011年300km/h、2013年320km/h
(2)大量性
東海道、山陽、東北、上越、長野、で世界の高速鉄道の4割を占める
(3)定時性
三戸祐子『定刻発車』 連続する都市、参勤交代が淵源か
(4)省エネルギー性→環境にやさしい
キハE200系(ハイブリッド気動車「こうみ」)など
(5)快適性・乗心地
電気式アクチュエータ アクティブサスペンション
(6)Suica
磁気式→700ms Suica→200ms
機器動作の総当り→40万件確認 運賃判定検証→12億3千万通り確認(組合せは3京通り)
(7)システム
自律分散システム(ATOS)
2010年春には100万以上都市すべてでSuicaが使用可能に
8.世界を変える!
JR東日本-革新=0
①新幹線 ②民営化 ③Suica
9.将来ビジョン
(1)Suica・ITビジネス 首都圏90%のカバー ICカード先進都市へ
→全生活ソリューション事業
(2)海外技術協力 年16兆円、2%成長の市場
(3)通信との融合 (Wimaxなど) →日経BP MUE-Train(PDF)
人口500万以上の都市は、1950年に8つだったのが、2001年には40に増えている。
単なる運輸業から、総合技術サービス産業へ
手前味噌になる部分があるのはもちろん否めないが、広報もやった人だけあって、的確なポイントで多くの内容が盛り込まれていたと思う。
(本稿すべて、鉄道史などの補足以外は講演時のメモによる)
定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?

¥620
母校の講堂で、JR東の副社長の講演があったのを聴く。
導入:
Suica事業にも大きく関わってきたが、その話は椎橋(章夫)博士が学園祭でしたことでもあるので、視点を拡げてみた。
(余談)鉄道会社の面接でマニアは落とされるというのは伝説。しかし私は仕事以外の時は鉄道から離れたい、と(笑)
1.世界、日本における鉄道の発達(産業史として)
1765 標準軌(1435mm)の登場
1804 リチャード・トレビシックの蒸気機関車 (Penydarren号。このときは標準軌ではなかった)
1825 ストックトン-ダーリントン間に「ロケット号」(ジョージ・スチーブンソン)
2.交通機関としての鉄道の特徴
鉄のレールと鉄の車輪(粘着方式)
専用(占有)鉄道 exclusive guideway
大量、定時、安全
3.日本の鉄道の特徴
サービス財として137年の歴史。「提供は真実の瞬間」
・運営環境
人口密度の高さ 東京はパリの1.5倍、ロンドンの3倍
企業からの通勤定期代の支給
・運行形態
中央快速のピークは2分に1本、9万人/hを輸送
首都圏の駅は1454(1平方kmあたり0.2駅)、116路線
ターミナルが少ない、相互直通運転 (上野-東京間 2013年直通予定)
・経営
民間鉄道は全国に189社 歴史的に民間セクターでインフラ整備 (民営鉄道→国有化→JR各社)
上下一体、株式上場(東、海、西)、電車が発達、技術開発(新幹線、リニア、etc.)
アメリカは貨物会社が多い(旅客は公社=Amtrak)
4.国鉄改革(1987年4月1日、JRへ移行)
・破綻の原因
経営自主性の喪失、責任の所在あいまい、意思徹底の不十分
(戦後に引揚者など吸収し、昭和22年の職員数61万、30年代43万、61年22万。現在7社で13万5千人)
・改革の概要
水平分割(上下でなく) 意識改革(お客様第一、サービス向上) 労使協力での効率化
・成果
営業収益 1兆8千億→2兆7千億
純利益 500億→1900億
22年間値上げせず(消費税改定を除く) 3島会社は95年に1回
東京圏の輸送力3割増 事故7割減
補助金6000億→税金3900億 (約1兆の差)
5.JR東日本の現状
生活サービス事業 22年で3割にまで
小売業(ルミネ、アトレなど) 1兆以上(全国8位)
広告 1040億(6位)
Tokyo Station City 品川車両基地再編で10~15ha再開発
6.経営の最重要課題「安全」
1日あたり1685万人、71万キロ
信号確認120万回 ドア開閉600万回 踏切70万回
安全投資は22年で2.2兆円
7.日本の鉄道技術
(1)高速性
鉄道開通時の表定速度32.8km/h→E5(はやて)2011年300km/h、2013年320km/h
(2)大量性
東海道、山陽、東北、上越、長野、で世界の高速鉄道の4割を占める
(3)定時性
三戸祐子『定刻発車』 連続する都市、参勤交代が淵源か
(4)省エネルギー性→環境にやさしい
キハE200系(ハイブリッド気動車「こうみ」)など
(5)快適性・乗心地
電気式アクチュエータ アクティブサスペンション
(6)Suica
磁気式→700ms Suica→200ms
機器動作の総当り→40万件確認 運賃判定検証→12億3千万通り確認(組合せは3京通り)
(7)システム
自律分散システム(ATOS)
2010年春には100万以上都市すべてでSuicaが使用可能に
8.世界を変える!
JR東日本-革新=0
①新幹線 ②民営化 ③Suica
9.将来ビジョン
(1)Suica・ITビジネス 首都圏90%のカバー ICカード先進都市へ
→全生活ソリューション事業
(2)海外技術協力 年16兆円、2%成長の市場
(3)通信との融合 (Wimaxなど) →日経BP MUE-Train(PDF)
人口500万以上の都市は、1950年に8つだったのが、2001年には40に増えている。
単なる運輸業から、総合技術サービス産業へ
手前味噌になる部分があるのはもちろん否めないが、広報もやった人だけあって、的確なポイントで多くの内容が盛り込まれていたと思う。
(本稿すべて、鉄道史などの補足以外は講演時のメモによる)
定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?

¥620