伊福部昭築地から一度戻って、連日の神保町シアター。
初めて開場前に着いたが、連休のせいもあって、50人ほどが来ていたのに驚く。
「銀心中」(1956・日活)
夫(宇野重吉)と理髪店を営む幸恵(乙羽信子)のところに、見習いでやってきた親戚の青年・珠太郎(長門裕之)。夫が出征したあと、珠太郎も甲種合格で兵隊にとられ、1人で留守を預かるが、夫がフィリピンで戦死したらしいという報せが入り、その後の空襲で店も焼けてしまう。
戦後、偶然再会を果たした幸恵と珠太郎。働いて金を貯め、理髪店を再建した2人のところへ、戦死したはずの夫が復員してきた…
戦争に翻弄された運命というのはよくある話だが、乙羽信子の演じる幸恵は虎太郎への思いが高じて、叔父に申し訳ないと姿をくらました珠太郎を必死に追いかけてしまう。
愛を命とするあまり、でもこの渇望は現代でいえば不倫でありストーカーと看做されざるを得ない。
花巻の銀(しろがね)温泉まで珠太郎を追いかけた幸恵の最後の意地が、吹雪の中を奔るシーンであり、死骸として発見された彼女の手にあったカミソリの輝きだろうか。
銀温泉のモデルは鉛温泉。
花巻電鉄の“うまづら電車”が何度も画面に出てくる。
道路の真ん中をあんな細長いのがよく走っていたなというのが、映像で見るに余計不思議に思える。
カラーも含めた現役時の写真→想い出の車窓から花巻電鉄
乗車記→40年前の鉄道風景花巻電鉄
映画で名前が見えたのはデハ4だったが、現在唯一、デハ3が花巻の材木町公園に保存されている。→汽車・電車1971花巻電鉄デハ3
音楽は伊福部昭。全体に、取り立ててどうというほどではなかったが、幸恵が銀温泉にやってきて珠太郎と部屋で二人になるシーンの音楽は、なかなか印象的。
しつこく追記
○白猿の湯に入るシーンがちっとも出てこない。原作にはあったはずだが。藤三旅館がロケに協力したとはいえ、まあ物理的な制約もあるかな。
○吹雪で電車が停まるくらいの時季に、何でダムの工事が行われているのか!?(発破の音が遠くから聞こえるのが冬では…雪崩でも起きないか)
○幸恵が崖から墜ちたにしては、川の向こうに横たわってこと切れているのと、遺体に雪が積ってないのが不思議
うーむ。
終演後でもまだ20時前だったが、考えていた店が品切れだったり、新規開拓しようと思った店が一杯だったり、かなりさまよい歩いた挙げ句、セットのあった「丸八」という店に落ち着いた。
生ビイル(★)、刺身(2種)、小鉢2。さらに生追加ときぬかつぎ。
テレビの日本対スコットランド戦がちょうど勝利に終わったところでお勘定。
初めて開場前に着いたが、連休のせいもあって、50人ほどが来ていたのに驚く。
「銀心中」(1956・日活)
夫(宇野重吉)と理髪店を営む幸恵(乙羽信子)のところに、見習いでやってきた親戚の青年・珠太郎(長門裕之)。夫が出征したあと、珠太郎も甲種合格で兵隊にとられ、1人で留守を預かるが、夫がフィリピンで戦死したらしいという報せが入り、その後の空襲で店も焼けてしまう。
戦後、偶然再会を果たした幸恵と珠太郎。働いて金を貯め、理髪店を再建した2人のところへ、戦死したはずの夫が復員してきた…
戦争に翻弄された運命というのはよくある話だが、乙羽信子の演じる幸恵は虎太郎への思いが高じて、叔父に申し訳ないと姿をくらました珠太郎を必死に追いかけてしまう。
愛を命とするあまり、でもこの渇望は現代でいえば不倫でありストーカーと看做されざるを得ない。
花巻の銀(しろがね)温泉まで珠太郎を追いかけた幸恵の最後の意地が、吹雪の中を奔るシーンであり、死骸として発見された彼女の手にあったカミソリの輝きだろうか。
銀温泉のモデルは鉛温泉。
花巻電鉄の“うまづら電車”が何度も画面に出てくる。
道路の真ん中をあんな細長いのがよく走っていたなというのが、映像で見るに余計不思議に思える。
カラーも含めた現役時の写真→想い出の車窓から花巻電鉄
乗車記→40年前の鉄道風景花巻電鉄
映画で名前が見えたのはデハ4だったが、現在唯一、デハ3が花巻の材木町公園に保存されている。→汽車・電車1971花巻電鉄デハ3
音楽は伊福部昭。全体に、取り立ててどうというほどではなかったが、幸恵が銀温泉にやってきて珠太郎と部屋で二人になるシーンの音楽は、なかなか印象的。
しつこく追記
○白猿の湯に入るシーンがちっとも出てこない。原作にはあったはずだが。藤三旅館がロケに協力したとはいえ、まあ物理的な制約もあるかな。
○吹雪で電車が停まるくらいの時季に、何でダムの工事が行われているのか!?(発破の音が遠くから聞こえるのが冬では…雪崩でも起きないか)
○幸恵が崖から墜ちたにしては、川の向こうに横たわってこと切れているのと、遺体に雪が積ってないのが不思議
うーむ。
終演後でもまだ20時前だったが、考えていた店が品切れだったり、新規開拓しようと思った店が一杯だったり、かなりさまよい歩いた挙げ句、セットのあった「丸八」という店に落ち着いた。
生ビイル(★)、刺身(2種)、小鉢2。さらに生追加ときぬかつぎ。
テレビの日本対スコットランド戦がちょうど勝利に終わったところでお勘定。