芦花公園から京王線を引き返して下りたのは下高井戸。
世田谷線ホームの横を抜け、京王線を新宿方へ少し行ったマンションの中にある下高井戸シネマへ。
サイトの中が見づらくてかなわんのだが、今のレイトショーがビクトル・エリセであり、しかも火曜はサービスデーということは理解して、21時10分の上映にぎりぎりで入る。
場内はまばらながらまあまあの客数。
予告編が当時のフランス映画社製作ので流れて、時代を感じさせる。(次のレイトショー「エル・スール」の)
「ミツバチのささやき」は、ちょうど先日、降旗学が日経ビジネスオンラインの連載で取り上げていて、学生時代に観たのは早稲田松竹だったかギンレイホールだったか、はたまた…と懐かしく思い出していたところだった。
舞台がスペイン内戦後、1940年代のカスティーリャの田舎ということで、背景が分からないと何がなんだかという感じもする。あくまで美しい断片的な映像詩として、あまり多くを語っていない。しかし、幼い子供(アナ)が外の世界と出会い、生と死というものを分かっていく(身近に感じ、乗り越えようとしていく)、という点は普遍的だといえよう。
多くの人が「素晴しい、素晴しい」と評しているからすごいと言いたくなるが、映像から感じる衝撃度でいうと、いまだにパラジャーノフのほうが強いような気がする。
ところで姉イサベルが焚き火を飛び越すシーン(アナは座って見ているだけ)がスローで象徴的に使われていたが、火を飛び越えるといえば日本だと「潮騒」に当たるのか。リアルタイムじゃないし、映画そのもの(どころか原作も)は観ていないが。むしろ思い起こすのは昔読んだ雪娘の絵本である。
ビクトル・エリセの長編第1作で1973年の公開、ということは、と考えるまでもなく、アナ・トレントは年上なんだよな。あのつぶらな瞳も今で言ったらアラフォーで、大人の階段はすっかり上ってしまっている。
エリセがバスクの生まれということは、四方田犬彦がNHK教育で昔やった映画の講座のテキストで書いてあって知ったが、euskaldunak(バスク語話者)なのかどうか。
寡作である以上に、DVDが高嶺の花になってしまっているのが困る。
マルメロの陽光、以前のボックス、密林でも超高値が付いている。紀伊国屋、東北新社、再販を望む!
ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール

¥11,198
世田谷線ホームの横を抜け、京王線を新宿方へ少し行ったマンションの中にある下高井戸シネマへ。
サイトの中が見づらくてかなわんのだが、今のレイトショーがビクトル・エリセであり、しかも火曜はサービスデーということは理解して、21時10分の上映にぎりぎりで入る。
場内はまばらながらまあまあの客数。
予告編が当時のフランス映画社製作ので流れて、時代を感じさせる。(次のレイトショー「エル・スール」の)
「ミツバチのささやき」は、ちょうど先日、降旗学が日経ビジネスオンラインの連載で取り上げていて、学生時代に観たのは早稲田松竹だったかギンレイホールだったか、はたまた…と懐かしく思い出していたところだった。
舞台がスペイン内戦後、1940年代のカスティーリャの田舎ということで、背景が分からないと何がなんだかという感じもする。あくまで美しい断片的な映像詩として、あまり多くを語っていない。しかし、幼い子供(アナ)が外の世界と出会い、生と死というものを分かっていく(身近に感じ、乗り越えようとしていく)、という点は普遍的だといえよう。
多くの人が「素晴しい、素晴しい」と評しているからすごいと言いたくなるが、映像から感じる衝撃度でいうと、いまだにパラジャーノフのほうが強いような気がする。
ところで姉イサベルが焚き火を飛び越すシーン(アナは座って見ているだけ)がスローで象徴的に使われていたが、火を飛び越えるといえば日本だと「潮騒」に当たるのか。リアルタイムじゃないし、映画そのもの(どころか原作も)は観ていないが。むしろ思い起こすのは昔読んだ雪娘の絵本である。
ビクトル・エリセの長編第1作で1973年の公開、ということは、と考えるまでもなく、アナ・トレントは年上なんだよな。あのつぶらな瞳も今で言ったらアラフォーで、大人の階段はすっかり上ってしまっている。
エリセがバスクの生まれということは、四方田犬彦がNHK教育で昔やった映画の講座のテキストで書いてあって知ったが、euskaldunak(バスク語話者)なのかどうか。
寡作である以上に、DVDが高嶺の花になってしまっているのが困る。
マルメロの陽光、以前のボックス、密林でも超高値が付いている。紀伊国屋、東北新社、再販を望む!
ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール

¥11,198