吹田市の家庭から出るごみ12種分別では「燃焼ごみ」とありますが、他市ではどのようになっているか調べてみました。

 

(1) 近隣市の場合

 

名称

吹田市(S)

燃焼ごみ

豊中市(T)

可燃ごみ

尼崎市(A)

燃やすごみ

西宮市(N)

もやすごみ

   茨木市

普通ごみ

       大阪市

普通ごみ

 

(2) 「燃やすしかないごみ」に変更した市

 

    名称

 名称変更の時期

  その効果

 柳川市

燃やすしかないごみ

2021.1~

ごみ量1割減

 亀岡市

燃やすしかないごみ

2023.4~

ごみ量2割減

 徳島市

燃やすしかないごみ※

2023.5~

ごみ量2割減

   ※徳島市の場合、正確には「分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ」

     ・上記3市は、いずれも「指定袋」を採用しています。

 

・名称変更の効果について

 ・総合地球環境学研究所の浅利美鈴教授は「分別への意識が高まる」と期待を

     示されました。

 「リサイクルやごみの量を減らしていくことの必要性をダイレクト伝えることにな 

     る。これまで多くに人にとって何でも燃やすごみとして捨てるのが当たり前だった

     が、資源にもなると思ってもらうことで、行動の変容につながる」

 「環境への意識が変わるなど、社会にもよい影響が出てくるほか、市民との対話も

      広がっていくと思う」

 

・筆者も吹田市民として、名称は変更されなくても「燃焼ごみ」を「燃やすしかない

   ごみ」と考えて、捨てる前に分別を再度考えるようにしたいと思います。

 吹田市では燃焼ごみの中に紙類が34%も混入しています(令和4年度家庭系ごみ質

   調査より)。特に、吹田市では「雑がみ」の回収に力を入れているので、その啓発

   活動にも協力したいと思っています。

一つ目は、共同通信はじめ、高知新聞や複数のメディアで5月27日に報道された話題です。高知新聞の記事の見出しは 「汚れ原因」大半再生せず、徳島 市収集のペットボトル となっています

https://www.kochinews.co.jp/article/detail/747636

 

報道のポイントは

・自治体回収のペットボトルのリサイクル率は全国平均で95%だが、徳島市の場合 

 同25%以下と推計。多くが埋め立てされている

・その原因は 缶、ビンとの混合回収による汚れのため  ということです

 

この報道を読んでまず疑問に思ったことは、京都市でも徳島市と同じように缶、ビン、ペットボトルの混合回収を実施していますが、京都の道端に置かれた回収物をみても、そんなに汚れは目立たないことです。徳島市と京都市では回収の仕方が違うのでしょうか?

 

そして、もし汚れが原因であれば、先月ご紹介した汚れたペットボトルも適正処理する津山のPETリサイクル工場に持ち込めば問題は解決します。徳島市から津山市まで神戸経由で230km、高速道路で約3時間ですから検討可能でしょう

さらに、ペットボトルはリサイクルの優等生とよく言われるためにこれまで調べたことがないですが、足元の吹田市でのペットボトルの廃棄、回収、リサイクルの全体像がどのようになっているのか?という疑問は少しだけあります

 

高知新聞の報道を読んで、一体全体どれぐらいのペットボトルが1年間で廃棄されているのか、その発生量についてイメージがないため、数字を見てもピンとこないことがわかりました

 

そして、もう一つの話題ですが、こちらはアメバブログでいつも鋭いプラスチック関連の話題を提供されているブロガーさんの ブログを読んで知ったのですが、現代ビジネス(週刊現代のWEB版)に ペットボトル飲料が脳卒中、がん、肝硬変などのリスクを高める? その「驚きのメカニズム」(6月21日付け) が掲載されていました

 

https://gendai.media/articles/-/132145

 

こちらの話題は、特にコメントしませんが、健康問題に関わるだけにみなさんの注目度はより高いかもしれません。よろしければ記事をご一読ください

5月25日(公財)千里リサイクルプラザで開催された「くるくるサロン」での話題の内容を紹介します。

 ・話題提供者:谷村綾子主担研究員(千里金蘭大学准教授)

 ・テーマ:「江戸時代の人々のリサイクル術を学んでみよう」

 

(1) 植物資源に支えられていた

・鎖国により資源の輸出入が無かった江戸時代の日本は、人々の暮らしに必要な物資の大半を植物資源に依存していた。(依存せざるを得なかった)

・再利用可能な植物資源を最大限活用→自然と独自のリサイクルシステムが構築されていった。

・江戸時代の生活には化石燃料に頼らずに生きるための知恵と経験がつまっており、現代における循環型社会を実現する上で非常に理想的な見本となる。

①  植物資源の利用その一:江戸の照明「行灯(あんどん)」

・行灯用の油には、ごま油、えごま油、菜種油、綿実油など植物油が主に利用されていた。

・他には、イワシクジラ、サンマなどの「魚油」も利用されていた。

・「夜=寝るだけ」が常識で、十分な明かりが無くても問題なかった。

②  植物資源の利用その二:「日用品や堆肥づくり」

・稲作では、収穫した藁の約20%を日用品づくりに、約50%を堆肥に、残りの約30%を燃料その他に充て、100%活用していた。

・藁で作られていた日用品の例

 ・「衣」:日よけ用の編み笠、雨具用のみの、草鞋など

 ・「食」:米俵、鍋つかみ、釜敷、藁苞(わらづと)納豆づくり

 ・「住」:草屋根、畳、土塀の材料など

・江戸時代の稲作農家は、農閑期にこれらの日用品を販売用にも作って収入源としていた。

 

(2) 徹底したリサイクル文化

・物質が限られており、衣類も食器も徹底的にリサイクル

・帯や小物を組み合わせて変化をつけることでお洒落に気回し

・古着屋が多く、市場に出回っている着物の大半は古着

・古着屋では着物だけでなく端切れなども扱っていたので、それを襟や裏地などに縫い付けて個性を出していた。

・ほつれや擦り切れが目立つようになってきた着物は おむつや雑巾としてリサイクルされ、ボロボロになるまで使い切った後はかまどや風呂釜などの燃料にも使われた。

・燃やし尽くした灰も、農業、酒造、陶器づくりに利用される。

 

(3) リサイクルを支える「修理屋」が発達

・修理屋にはそれぞれ専門があり、何かが壊れたら専門の修理屋に持って いき修理してもらい、使えなくなるまで使い込む

・修理屋だけではなく、紙くずや髪の毛までありとあらゆるものを買い取る業者もおり、新しい商品づくりに活かされていた。

 

(4) 食品ロスがない

・行商人が家まで売りに来る魚、豆腐、野菜などをその都度買っていた。

(買いだめしない、できない)

・使い捨て容器は存在せず、買う際は自前の食器で量り売り

・米は高価で少量しか買えなかったため、大根、芋、豆などの腹持ちの良い具を混ぜて炊き、かさを増やす。

・保温機能のある炊飯器などなかったため、冷めたご飯を美味しく食べるための冷え雑炊や、お茶漬けなども考案

・つまり、江戸時代に食品ロスが出ることは滅多になかった。

 

受講した筆者の感想

 時代劇の映画やドラマが好きだが、上記の状況を示すシ-ンはよく見てきた。

しかし、現在の生活と江戸時代のリサイクルとを重ねわせて考えることはほとんどなかった。

 江戸時代の徹底したリサイクル文化を現在の暮らしに活かす工夫を真剣に考えたい。

 

【追伸】

 谷村綾子先生の記事が、2024(R6)年7月号しみんけんきゅうニュースNo322

のP5にも掲載されています。表題「お江戸でリサイクル」

 (公財)千里リサイクルプラザのホームページでご確認ください。

     http://senri-recycleplaza.or.jp/

    ホームページ→市民研究所→しみんけんきゅうニュース→バックナンバー第322号をクリックして記事をご確認ください。