こんにちは。
松本清張世界へようこそ。
と言いつつ、江戸川乱歩作品の紹介が続いております。
ミステリー界において、真逆の、
というか、競技が違うというか、作品内容に、共通項少ないです。
子供の時に読んだ江戸川乱歩のポプラ社のシリーズで、二十面相が出てこない作品が10点ばかりあります。
シリーズの後半に収録されています。
「呪いの指紋」「影男」「暗黒星」「時計塔の秘密」など。
そして、「十字路」を昨日紹介しましたが、偶然にも、この異色作が
松本清張が書いたのか!?
と思うくらい、清張らしい作品であることを発見しました。
あるいは、2時間サスペンスドラマとして、放送してもおかしくないです。
昔、明智小五郎シリーズで「十字路」は故・天知茂主演で放送されましたが。
犯人は、変な言い方だけど、悪い人じゃないんです。
というのも、被害者にも非があるので。
三角関係の果て、偶発的に殺人事件に発展。
ここで、自首すれば一番良かったと思います。
ですが、ここで犯人の弱さ、ズルさが出てしまいます。
完全犯罪を思いついたのが、運の尽きでした。
愛人に被害者の扮装をさせ、熱海に出発させます。熱海の自殺の名所?で入水したように見せかけます。
アリバイも作れ、一石二鳥です。
自分は、死体を車のトランクに入れ、心当たりのある石切場の山まで、捨てに行きます。
ほぼ完璧な計画です。
ところが、あまりにも運転に慎重になり過ぎたのか、男は、交差点付近で接触事故をおこします。
ここが運命の十字路でした。
交番で事情聴取を受けてる間、死体を積んだ車は路駐状態。
そこへ、善意の第三者?が、フラフラとその車に乗り込んでしまいます。
ここにAとBの二つのグループの運命は交差したのです。
とあるところに仲のよい兄妹がいます。
妹の婚約者と兄は仲が悪く、というより、一方的に兄が妹の結婚に反対しています。
よくあるパターンです。
ある日、男と妹の婚約者はケンカをして、兄が頭を打って重症を負います。そして、兄は、
たまたま目の前にあった空の車に、フラフラと入り込んでしまいます。
そして、絶命します。
そうとは知らない本編の主人公・伊勢省吾は、
取り調べを終えて、運転席に戻り、石切場に向けて再出発します。
途中気がついて動転しますが、1人も2人も一緒。
同じ場所に捨てます。
伊勢たちは、途中アクシデントはあったものの、その後の守備はうまくいったつもりでした。
その間、着々と運命の歯車は進みます。
妹が、十字路付近で失踪したお兄さんの捜索を、私立探偵に依頼します。
どんどん、伊勢にとって、悪い方へ悪い方へ、進みます。
驚くべきことが次々に襲ってきます。
犯行を隠蔽しなければ、2人はいずれ幸せになれたはずでした。
運命としか、言いようがありません。
実にこの辺が松本清張的。
利己的な犯人でないだけに、同情します。
江戸川乱歩も、こういう正統な?人間ドラマを書くこともあるんですね。