こんばんは。

おどろおどろしい因習に染まった八つ墓村
及び横溝ワールド。

社会派の松本清張は、見立て殺人のような派手派手しい、あるいは非現実的な犯罪は、
もちろん書いてないですね。

例えば、八つ墓村の連続殺人の合計殺害件数は8人!
ちょっと、あり得ないですね。
清張は、多分こんなミステリは書かないと思います。社会派には無理です(笑)。

リアルに考えると1人でも、やっとなのに、
8人は多すぎる。

短期間で8人は重労働すぎます。

で、この本編のプレリュードとなる
八つ墓村の分限者・多治見要蔵による無差別大量殺人は、
知っている人は知っていると思いますが、
戦後間もなく、岡山県の津山市で、実際にソックリの事件がありました。

俗に津山事件とか言われています。

この事件について、松本清張は、ドキュメント小説にして発表しています。
「小説・帝銀事件」「小説・三億円事件」
と同じですね。
タイトルは思い出せませんが、
「肉鍋を食う女」の中に入っていたはずです。

横溝正史もこの「津山事件」をあえて八つ墓村伝説に取り入れました。
実際事件の犯人は、村の若者で、その村で仲間はずれにあってるんじゃないか、と被害妄想が高じて
一晩で32人を次から次へと手にかけたらしいですが、自殺したので、詳しい動機はわからずじまい。
映画での山崎努の多治見要蔵は、その津山事件の犯人のように、ハチマキに懐中電灯二本を挿して、片手に日本刀、片手に猟銃という、
異様ないでたちで登場。
家から家に移動して、暴れまくります。
なにしろ、電話もない村ですから、そのくらいの犠牲者が出たわけですね。

なぜ、要蔵が見つからなかったかというと、鍾乳洞の中に隠れていたのです。
かくまっていたのは、要蔵の伯母にあたる小竹と小梅。
しかし、この恐ろしい老婆たちは要蔵をおにぎりに仕込んだ毒で毒殺してしまいます。
さすがに、分限者とは言え、こんな犯罪を犯したわけですから、持て余してしまったんですね。

深夜、辰弥が寝た後、毎晩のように秘密の入り口から鍾乳洞に小竹たちが入って行った理由は、要蔵の供養に行くためでした。
鍾乳洞に要蔵の仏壇があって、おそなえをしに行ってたのです。
この事を犯人は知っていたらしく、
ある日、いつものようにお供えをしている2人の老婆のうちの一人だけを襲い、さらっていきます。

これはマンガでいう下巻の最初のほうに出てきました。
憎たらしい老婆たちでしたが、一人が鍾乳洞の「鬼火ケ淵」という沼で、変死体となって発見されると、多少哀れでした。
双子の残された片方は、すっかり覇気をなくしてしまいました。

死体の近くに手帳を破いたようなメモが落ちていて、小竹と小梅の2人の名前が縦に並んでいて、
小竹の名前の上にバッテン❌が記されていました。
彼女は6人目の犠牲者なのですが、
問題は、死体は小竹ではなく、小梅だったということです。
双子なので、どちらが小竹か犯人は区別がつかなかったようです。
マンガでも、絵的に区別がありませんでした。
この犯人のミスは、伏線があるんですけど、
どうも、犯人からするとどっちでも、片方さえ死ねばよかったみたいです。