こんばんは。
ミステリ案内人・稲葉の白兎です。
日曜の夜は大河ドラマ「西郷どん」を見ています。
原作は、かの林真理子。
林真理子と言えば、オシャレやグルメに関する記事を書いている印象があります。
それと、恋愛。男談議。
西郷が久光の逆鱗に触れ2度目の島流しにあいました。今週は泣いて見た人が多いかと。
前回より条件が過酷で、島民のために飲まず食わずで刑罰に甘んじてます。
それもこれも、大久保が呼び戻してくれるという希望があるからです。
林真理子がこんな風なバンカラな作品も手がけるとは、意外です。
もしかして、今の主役の男優を押したのは林真理子だったりして。
あまり馴染みのない俳優さんだし、
本物の西郷さんは写真で見ると、目がまん丸デカ目なのに、
主役の男優は、目が細くて西郷らしくありません。
メイクをしてでもデカ目にして欲しいところです。身長体格は合格です。
さて、「人狼城の恐怖」。
4冊からなる超弩級ミステリです。
一冊だけでも400ページはあるかと思われる分厚い文庫本(講談社文庫)です。
人狼城フランス編は、フランス編というより、
アルザス編ですね。
実際のアルザス・ロレーヌ地方の領土問題は、
複雑すぎて、もはや誰も手をつけられないほど放置されています。
ドイツ国境に近いフランスのアルザス地方の名士が集う「アルザス独立サロン」。
その中の会員のうちでも精鋭メンバー7人によって、「青の狼城」に住むスポンサーのシユライヒヤー伯爵を表敬訪問することが決まりました。
しかし、このシユライヒヤー伯爵というのは謎の人物です。
年齢は60歳くらい。
脱税疑惑から、国税局の職員2人が青の狼城を訪ねたきり行方不明になりました。
パリの優秀なエリート検事補テルセは、旧友であり、アルザス独立サロンのメンバーであるローラント・ゲルケンに、伯爵を内偵するように頼みます。
それともう一つ、不死身のアストラル兵士である人狼の始末を、サロモン警部の指揮のもと、協力して欲しいと言います。
さらに、サロモン警部は、リケ博士という人狼製作に携わった研究者も連れてきました。
リケ博士の話によると、人質を家族にとられて、
ナチスのためにイヤイヤ研究をさせられました。
そして、失敗作の人狼が3人この世に生まれてしまったと。
サロモン警部が二匹までは殺したが、最後の一匹がまだ残っていて、それも時間の問題でしたが、
そいつがアルザス独立サロンの建物に潜り込み、理事の1人の老人に取付きました。
そして、別のサロンのメンバーに入れ替わったようです。
理事の死体が発見されました。
訪問メンバーはこの日遅くまで会議をしていて、その中の誰かの体に憑依したことが確実となりました。
リケ博士は、サロモンとローラントに人狼の特徴についてレクチャーします。
それによると、人狼は銀という物質に弱いとのこと。
サロモンは「俺は今まで二匹の人狼を銀の弾丸で仕留めた。今度もそうする」と言います。
「方法は君に任せる。問題は銀にある」
ローラントは恋人に大反対されますが、
大事な使命を果たしたいと人狼城に行くことを決意します。
その訪問メンバーは、彼ら以外5人。
モース、シヤリス夫人、クロード・ランズマン、
アノー医師、ミューラー教師。
ローラント以外は全員かなりの年上です。
訪問初日の夜、サロモンはローラントの部屋を訪ねます。
「今日、一日で、誰かいつもと違う怪しい行動や言動をした奴はいなかったか?」
「いいえ。皆さん、前から知ってる通りの人です」
「そうか。では引き続き明日も注意してくれ」
モースは、食いしん坊でいつもお菓子を持ち歩いてます。
あまり知性的な人物ではないけど、気が良くムードメーカーで、ギャグを担当。
シヤリス未亡人は、典型的な色気虫です。
伯爵のハンサムな義理の弟アランにポーッとなったり、恋人クロードには甘え、ローラントにも色目を使います。
アノー医師は、医者のくせに威厳や体力がなく、
国境近くの森でハーハー息を切らしてました。
体を乗っ取ったばかりで、慣れてないから異様に疲れたのかもしれないと、サロモンに目をつけられました。
ローラントはアノーさんは元々、元気のない人だから、と言います。
クロード・ランズマンはレストラン経営者。
気障で見栄っ張りで、常にシヤリス夫人の機嫌を伺っています。それは、シヤリス夫人がレストラン経営のスポンサーだからです。
ローラントに対して上から目線です。
ミューラー教師は70歳で一番歳上。
事あるごとに歴史やワインの薀蓄を披露します。
ローラントにだけ、「ロンギヌスの槍」を探しに来たんだと打ち明けます。
訪問初日にして、メンバーは驚きを隠せません。
なぜなら肝心のシユライヒヤー伯爵は、
仕事の用事で出張しており、メンバーとの顔合わせは2日目の夜になるとの事でした。
バカにしている!
と怒ったのはランズマンでした。
来ることがわかっているのに主人が留守なんて失礼にもほどがあると言います。
伯爵夫人は、お詫びにと、翌日、ワイン農場へピクニックを兼ねてメンバーを連れて行きます。
それと驚くポイントは伯爵の息子。
ラインハルトというまだハ歳の少年ですが、
皮膚が弱いとのことで、顔に仮面をかぶって現れました。
まるで、犬神家のスケキヨです。
皮膚病と言われれば、それ以上追求できません。
サロモンは、後でローラントの部屋を訪ねた時、
そのことにも触れています。
「あのガキは一体なんだ?皮膚病だと?
そんなのミエミエの大嘘だ。あの仮面の下には
とてつもない秘密があるに違いない」
と毒づきます。
初日から波瀾の幕開けです。