こんばんは。

ミステリ案内の稲葉の白兎です。

久しぶりに『ミステリ』に関する小説の紹介ができそうです。

その名も『人狼サバイバル』青い鳥文庫。

対象は小学生および中学生。

ポプラ社の怪人二十面相シリーズをオシャレにしたような
ミステリです。

『人狼ゲーム』に目の無いわたくしめは
片っ端から
人狼に関するものは取り込んでいます。

サバイバルという言葉にも弱い(笑)。

なんて言うか、本格ミステリの王道
『クローズドサークル』を彷彿させます。

こないだ、子供の時に読んだ『王子とこじき』は、長すぎたのと、学年が2つくらい上のレベルだったのとで、
100%楽しんだとは言い難かったです。

『人狼サバイバル』は対象年齢を大幅に上回って、
全然易しく読めた。
いえ、これ、大人の鑑賞に耐えうる内容。

ぶっちゃけ、ある日突然中学生の男の子と女の子が数人、館にさらわれて、
無理くり人狼ゲームをやらされる。

伯爵という名の、謎の優男ふうの男性が
ゲームマスター兼主催者。

怪人二十面相がいたいけな児童をもてあそんでいるような構図。

伯爵はあくまでも紳士で、言葉遣いも丁寧で、
少なくとも、フェア。

村人陣営が勝つと、ちゃんと生かして帰してくれる。

子供向けとあなどってはいけない。

人狼ルールは、普通の人狼ゲームと一緒で、
しかも命を賭けたリアル人狼をやらされます。

逃げたり、暴力を行使したり、器物を破損したりは
一切できないし、
ルールを犯した者は即退場。

主人公は赤村ハヤトという公明正大な男の子。
その友人・黒宮ウサギ。女の子。

名前はかわいいけど、

どうしてどうして、
めちゃくちゃ冷静で賢い。

登場人物は少なくて読みやすい。
わかりやすい。

その分、ゲームの複雑性に欠け、

人狼当てはスリリングとは言い難いが、
それでも、
ルールの抜け穴を突くオチには
脱帽。

改めて、わかり切ってるとは言え、
ルールの把握は重要。

参加者の頭の回転、早すぎるのは、
他の人狼ゲーム小説と同じ。

今のところ、このシリーズは6作まで出ています。

ハヤトとウサギは
毎回攫われて
伯爵のゲームに付き合わされる。

伯爵の目的はよくわかりませんが

怪人二十面相と同様、
アタマのいかれた大人。(笑)

ゲームを楽しんでくれたまえ

これが毎度のセリフ。

本当に人狼ゲームが楽しくて仕方がないようです。
参加者と知恵比べをしているようにも見えます。

ホテル並みの部屋と食事を用意して、

退屈しないように昼のゲームまで考えてくれたりして、

悪い人に見えないけど、

誘拐・監禁・強要と言った犯罪は犯してますね。

30歳くらいの謎のお金持ち。

不思議な人。

読者は伯爵に興味を持たないほうが
楽しめると思います。

ハヤトと一緒にゲームをやらされるのは、
同じ学校・クラスの同級生。

名前が
苗字が色の名前、
下の名前が動物というキャラ設定が面白いです。

キャラも立ってます。

残念なのは目立たない人が
吊られたりするところかな。

普通、目立つ人や強そうな人を吊りそうなものだけど

その辺は作者のご都合主義なんでしょう。

最後に必ずどんでん返しがあって
面白いです。

たまたま5作目の『氷点下の人狼ゲーム』を手に取って読んだら面白かったので、
全作大人買いして、順番に読みました。

最新刊には
狐または吸血鬼という第三の陣営も登場し、
シリーズ最高潮です。