しなきゃいけない電話に
きみがもうコインをいれてくれていて
番号をおしてくれていたみたい
たくさん話せるように
コインがきちんと積まれていた
相手に言えたのは
空虚なハローだけ
きみを
きれいで立派なひとだと
言っていたよ
きれいで立派
うん
荷物を抱えて
地面に足をとられそうだな
目の前には
きみの清らかな腕があって
泣いてるあのこに
声をかけたり
手をとって
ダンスしたり
してもいいのかな
わからないから
あの画家が
妹に贈った
花の絵みたいな風景を
あのこが行くモーテルの廊下にかけてこよう
そこに泊まるはずのあのこが
見ても見なくてもいい
ほかの誰かが
見てもいい
見なくてもいい
大きな
風景を抱えて
泥濘を歩くのはたいへんだな
パンを踏んだあの娘みたいに
大切なそれを
足場にしてしまいたくなる
平気でそういうこと
してしまう性質なんだよ
きみのきれいで立派とおなじように
生まれつき
これは
できたら
汚したくないな
だから
眩しいほどの
きみの腕を
つかませてください


