見た日 : 2024.9.21.
見た場所 : 東京・池袋 東京芸術劇場 大ホール
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1830年頃のパリ、カルチェ・ラタン。とある屋根裏部屋に詩人ロドルフォ、画家マルチェッロ、哲学者コッリーネ、そして音楽家ショナールの貧しい若者4人が暮らしている。
《第1幕》―― 屋根裏部屋、クリスマス・イブ
ロドルフォとマルチェッロが創作にいそしんでいる。薪を買う金もなく火の気のない室内で、寒さに耐えかねたロドルフォが売れなかった原稿を暖炉にくべる。コッリーネが帰ってくるがこちらも金欠だ。
ショナールだけは金を手にして意気揚々と帰ってくるや、食料にワイン、それに薪やらタバコやらを部屋に運び込ませる。皆、むさぼるように食べ物に食らいつく。
そこへ家主ブノアが、滞納中の家賃の督促に来る。4人は家主にショナールの金を見せた上、おだててワインを飲ませる。家主はいい気分になって浮気を告白してしまう。若者たちは憤慨したかのように家主を追い出す。そしてカフェ・モミュスに繰り出すことにする。
ロドルフォだけが居残って仕事を仕上げようとしていると、階下のお針子ミミが火を借りに来る。ミミが落としたカギを一緒に探すうちに2人は恋に落ちる。
《第2幕》―― カフェ・モミュス、同日
ロドルフォがミミを連れてきて、全員が揃ったところで食事を始める。ロドルフォはミミに帽子をプレゼントする。そこにマルチェッロの元カノ・ムゼッタがパトロンの大金持ちアルチンドロと睦まじく入ってくる。
ムゼッタもマルチェッロがいることに気づいて気を引こうとするが、マルチェッロは本当はまだ気があるのに無視する。しびれを切らしたムゼッタは足が痛いから靴をどうにかしてくれなどと適当な理由をつけてアルチンドロを店から出す。“邪魔者”を追い払った後でマルチェッロとムゼッタはよりを戻す。
アルチンドロが靴を手に戻ってくると、男女6人は帰営する軍隊の行進で大騒ぎの人々に紛れて姿を消し、アルチンドロには勘定書きだけが残されている。
《休憩》
《第3幕》―― 翌2月、アンフェール門近くの居酒屋前
ミミが咳き込みながらマルチェッロの働く居酒屋を訪ねてくる。屋根裏部屋を出て一緒に暮らしていたロドルフォが最近冷たくて昨夜ついに出ていってしまったという相談だ。店の中で寝ていたロドルフォが目を覚まし、マルチェッロを探して店の外に出てくる。ミミは思わず身を隠す。
ミミは肺病(肺結核)を病んでいて病状が悪いが、貧乏な自分と暮らしていては助からない、別れなくてはならないのだと、ロドルフォはマルチェッロに本心を語る。陰に隠れていたミミは全てを聞いてしまう。(私、死ぬの!?)と驚くミミ。
咳でミミがいることに気づいたロドルフォは、大げさに言っただけだと必死にごまかす。ムゼッタの奔放さに振り回されているマルチェッロは、そのムゼッタの楽しそうに騒ぐ声を聞いて店内へ。
2人きりになったところで、ロドルフォの気遣いに今度はミミから彼に別れ話を切り出す。前に住んでいた屋根裏部屋に戻ること、自分の身辺の物は人に取りに行ってもらうが以前買ってもらった帽子だけはそちらで取っておいてほしいことを望む。
居酒屋から出たマルチェッロとムゼッタはケンカ別れをする。
《休憩》
《第4幕》―― 数ヶ月後、以前の屋根裏部屋
4人の青年は再び前の屋根裏部屋で暮らしている。
ロドルフォとマルチェッロ、どちらも別れた恋人への思いを断ち切れず仕事に身が入らない。そこに食料を手にショナールとコッリーネが帰ってくる。4人でふざけながら食事をする。
いきなりムゼッタが、ミミが戸口で倒れたと知らせに来る。金持ちの世話になっていたミミが衰弱して、死ぬ前にロドルフォに会いたいと言うから連れてきたのだった。ロドルフォが駆けつけてベッドに運ぶ。ムゼッタは冷たいミミの手を温めるためマフを取りに行く。マルチェッロはムゼッタのアクセサリーを売って薬を買おうと出ていく。コッリーネは自分の古着を質に入れて金を手に入れようと、ショナールを連れて出ていく。仲間が気を利かせて2人の時間を作ったのだ。
2人きりの部屋でロドルフォは帽子を見せ、2人の出会った頃や幸せな暮らしを語る。大いに喜ぶミミだったが再び気を失う。中の様子をうかがっていた仲間たちが駆け込んだところでミミは再び目を覚ます。ムゼッタのマフで手が温まって喜んで眠る。ムゼッタはミミのために祈る。
いつの間にか、ミミは眠るように息を引き取っていた。ロドルフォは泣いて取りすがる。
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「全国共同制作オペラ」は前にも見たことがある。(⇒) 同様に新解釈というか、ダンサー4人がいたり、幕のないステージの幕間にパントマイムよろしく道化のような扮装の役が時間を持たせたりしていた。
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「La Bohème(ラ・ボエーム)」はフランス語で、英語なら「the Bohemian」、「ボヘミアン」だ。ここでは「ボヘミア人(現在のチェコのボヘミア地方の人)」や「ロマ」の意味ではなく「芸術家など自由奔放な生活をしている人たちを集合的に呼んだもの」の意味の方だ。女性名詞なんだね。そういう人が多く住むコミュニティーもボヘミアと言うそうだ。
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ここでは屋根裏で貧困と寒さに苦しめられながらも時にふざけ合ったりもして、創作や思索に情熱を燃やした4人の若者たちのことだろう。
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どっちが縦糸か横糸か知らないが、4人の青春群像にその中の2人の恋愛が絡むということか。他の2人のストーリーはないんだけどね。
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兵士が営舎に帰ってくるのを民衆が大歓声で迎える? 1830年? 七月革命の頃の話なのだろうか? 歴史は(も)からっきしなのでそこを突き詰めてもしようがないんだけど。 (^_^;)
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ホールから出ると目の前にこういう展示があった。
2024年末で引退する指揮者・井上道義の写真展だ。そう、今回のこのオペラ公演は井上にとって最後のオペラとなるのだ。
井上道義 音楽生活写真展 「Voyage ―音楽という名の通行手形―」
行きには気づかなかった。他の人もそうだったのだろうか、帰途の聴衆の大勢が吸い込まれるように入っていった。中の写真はない。(撮影禁止)
幼少期から修業時代を経て最近までの写真が並べられていた。