背泳の指導(5) | 水泳道のブログ

背泳の指導(5)



◆いよいよ背泳ぎの基本練習


さて、いよいよ背泳の泳法の指導が始まります。

両手を上で揃え、片手ずつ交互にスクロールさせます。


片手づつかいては、頭の上でそろえる。

この動作が終わったら、手をそろえたまましばらく泳がせ、タイミングが取れるときに、反対の手をまたかかせるといった形で、片方づつの手を交互に意識させて泳がせます。


指導する時の6つのポイント


これだけ沢山のポイントがありますが、あまり沢山のことを一度に、教えると混乱しますので、最初にポイントを一通り説明してから、1つづつ順番に指導していくようにします。


順番は、手の回転の順番にかいていますが1番と2番目は、先に、それ以外の部分については、どの順番から教えても問題はありません。(指導していて気がついた点を意識させるという方法で良いでしょう)


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1)手のかき方は、かく手の側の肩を手の平と一緒に水に軽く沈ませます。
※肩を沈ませることを最初に教えることで、身体のローリングが自然に行えるようになります。
※最初は出来なくても、何回も繰り返して指示することで自然に意識せずに学習します。


2)手をかき始める時に、手の平を外側に向けさせることを指示します。

※手の平で水をかくためには手のひらは外側を向いていなくては出来ません。

※間違っても子供に手本を見せながら「こういう風に」というような無責任は指導はやめましょう。

指導員が手本を見せても、具体的な指導が無い限り、手のひらの方向や動きを理解することは出来ません。


3)その次の動作で、ヒジから先(手の平まで)で、水をしっかりと押すように教えます。
※はじめから水をかくという動作を教えます。
※今までは、手を回す動作から水をかく動作と指導してきたと思いますが、ここで水をかくという動作をしっかり教えることで、背泳ぎだけでなく、水をかくということを意識するようになります。


4)手をかき終えるときは、手つき背面キックの時と同じように、お尻の下までしっかりと水をかかせるようにします。
※手つき背面キックでしっかりと水を押すという動作を教えているので、迷わずにこの動作をすることが出来ます。


5)最後までかき終わったら、その手を自分の頭の上の出来るだけ遠くの軌道上を指先が通るように教え、両手がしっかりと揃い指先が伸びるまで意識をさせるように指導します。

その時に肩から水面にあげると指導してみてください。


6)入水の際には、手のひらを外側に向けさせ小指から入水させることを意識させる。


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子供を指導する際のポイント

子供の手は小さく、腕も細いため、水の抵抗をうまく捕らえられずに水を押すという動作をうまく感じられない子供もいます。そういう時には、指導員の手の平やビート板などを補助具として利用して、押させることで、前にすすむ感覚をつかませます。

水中のみで教えることに自信がない場合

手を動かす動作が、うまく出来ていないと感じたら、一度全員をプールサイドにあげ、水を押すという動作を教えます。


プールの壁面を使って、水を捕らえる感覚を教える方法


また、プールの壁面(プールサイド)の高さが、肩よりも下にあった場合、水中で壁を背にして立たせ、両手で壁を支えながら、座らせる練習をしても効果があります。その時の腕の使い方は、まさに水をかくときと同じ使い方になるので、子供でも感覚がつかめます。


【注意】
肩と同じくらいの高さだった場合にこの指導をすると、肩関節の脱臼などを引き起こすことがあるので、その時には、壁を使った指導は諦め、生徒にやらせるのではなく、指導員が手本を見せるという方法で手の動きを見せ理解させるのも1つの方法です。



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