先日、あるコラムを読んだ。

 アジカンのゴッチこと、後藤正文さんのコラムだ。

 そこには、下北沢を拠点とした下積み時代の、挫折や葛藤の話がつづられていた。高いノルマに対し、集客ができなかったという。それも、ほぼお客さんがいない中で、演奏していた。果たして、この夜は意味があるのか。0人から1人にすることが非常に難しく、やめようと思ったそうだ。友達や先輩に諭されて続けていき、メジャーデビュー前には、コンスタントに20人集客できるようになったという。


 それで今の絶大な支持と地位を確立している。エモーショナルにかき鳴らされるバンドサウンドの中に、正文さんが紡ぎ出す歌と歌詞は、いつも僕の心を動かす魔法の力が備わっている。ラジオでも、学生時代の音楽の話を語る彼らには、好感が持てた。ブリッドポップ全盛の時代、Weezerなどのパワーポップの潮流などなど。


 今回、どうして私がブログを書いたのか。それは、今、私が前述の状態に陥っているからだ。誰もいないライブハウスの中で演奏する。そんな日々が続いている。ロウソクの火が消えた夜も何度もあった。ただ、共演者やスタッフの方々との出会いは、暖かい気持ちになる。僕はまだ、心から出会いを求めている人間なのだと実感できる。


 大きくならなくてもいい。ただ、聴いてもらった人の心を揺さぶる音楽を作り、届けたい。

 いつか、あのロックスターのように。

 読んでいただいた方にも、挫折や失敗の先に、輝かしいものが待っていることを、信じて。