自分の要求が通らないと簡単にブチ切れる客が増えているため、面倒を避けようと、ビジネスに徹する医者が増えている。正しい医療をやろうとしても患者が「丁寧に扱われないと我慢できない面倒な顧客」になってしまい、顧客が「欲しい」ものを与え、顧客が要らないといえば、それが仮に正しい医療だとしても与えない、そういうトレンドが強まっている。だから患者数は減らず、待合室が満席なのである。

顧客はネット情報をもとに、自分で治療をしようとする。不思議なことに、精神科領域だけは医学の素人がネットから得た知識で、自分で治療をしようとする。心臓の病気や癌の治療を自分で治療しようなどとは誰も思わないのに、何故か精神は自分で治療しようとする人が多い。医学教育を全く受けていない素人が、ネット情報を頼りに自分の体にメスを入れ「手術する」か?