【30分小説】
コンセプト
過去に舞台の戯曲を2度手がけ、普段オリジナルの映画脚本を執筆する杉本が1日30分のみを使って、初の「小説」に挑戦する。
目標
書き上げた物語を推敲し、まとめ上げ、最終的に出版する。
タイトル:(仮)After the party
ジャンル:未定
内容:未定(書きながら考える)
執筆10日目
(執筆日時:2018年10月05日 23:10〜23:40 投稿日:10月5日)
上空からもその寒さがわかるほど地上の光は乾いて見えた。
街はまだ大部分が眠っている。
眼下には圧倒的な暗闇に覆われた地上があるだけだ。
マリエは座席の元の位置を戻し、少し早めにシートベルトを装着する。
焦る気持ちを抑えようとしているのだろうか。
しきりに外に目を向けたり、座り直したりしている。
隣の女性客はまだ随分深く眠っている。
冬にも関わらず首元が少し大きめに開いた服。
呼吸とともに上下する胸元。
きめの細かい肌から、甘くそれでいてしつこくないほのかな香水の香り。
巡回するキャビンアテンダントと目が合い、お互い微笑んだ気がした。
窓からぼんやりと地上を見下ろす。
遠くの地平線を微かに淡いブルーが縁取っている。
地球の輪郭が浮き彫りになり、さっきより街の明かりが目につくようになった。
そろそろ東京の上空に入るのかもしれない。
ふと、そんなことを考えてみる。
久々の東京。
もっと言えば日本すら久々だった。
腕時計に目をやるマリエ。
時刻は朝の6時少し前をさしている。
〜本日はここまで〜