第12話「追及」
スギ「……亜実にどうしても聞きたいことがあるんだ…」
スギは真剣な顔で亜実に訊ねた。
亜実「……何?……」
亜実は悪い予感がしたのか、ボソッとした声で応えた。
阿弥「スギくん?どうしたの!?」
阿弥も、まさかスギが口を挟んでくるとは思っていなかったので、驚きを隠せなかった。
スギは軽く深呼吸をしてから、ゆっくりと話し始めた。
「俺が事故を起こした嵐の日…直前まで、桑島…それから亜実が住んでたアパートに俺は居たん……だよな?」
「………そうだけど…?」
それがどうしたの?というような顔の亜実に、スギはさらに続ける…
「そして、免許を取ったばかりの俺は、初心者ドライバーのくせに、嵐の夜にも関わらず…その子の所へ行こうとして…途中で事故を起こした……んだよな?」
「……うん」
亜実が何か嫌そうな顔をしている…
阿弥は何となくそう感じ取っていた。
「俺が病院で意識を取り戻した時…
目の前に亜実が居て…涙流しながら笑顔で抱きついてきた…
あの日を思い出したんだ…。」
「そうだよ…だって嬉かったもん…」
亜実は目の下の涙のあとを人差し指で軽く拭き取りながら、笑顔で応えた。
「病室に花が飾ってあった…」
「うん♪」
「あれは…亜実が?」
「そうだよ♪病室って、殺風景だからね…」
「……そっか…」
そんな他愛もない会話を繰り返すスギに、
阿弥はちょっとイライラとして…
「スギくん?……何が言いたいの?」
と、軽く口を挟んだ。
すると…
「あの時…亜実は俺が意識を取り戻したことが嬉しくて、さっきみたいに涙を拭きながら花瓶の水を替えに行ったんだ…」
「亜実と入れ替わりで、担当医の先生が意識を取り戻した俺の様子を見に来たんだ…」
「先生は…献身的で素敵な彼女さんだと亜実のことをスゴく誉めてたんだ…」
「え?ホントに??」
「毎日欠かさず見舞いに来ては、花の水を替えに来てた…ってね。」
「うん♪」
「そして……俺が命が助かったのは……」
少し間を空けてからスギは真剣な顔で
「彼女さんがすぐに救急車を呼んでくれたからだ…って言ってたんだ…」
と言いながら亜実を見つめた。
そして…
「なぁ…亜実?」
「………」
「何で…亜実は、俺の事故現場にすぐに来れたんだ??」
つづく
この小説のようなものは、あくまでもスギマンの妄想であり、登場人物とか家族構成とか関係性は全てフィクションです(笑)
次回…亜実がついに…
では、また(^ω^)