『1970年代のフォークブームをけん引し、日本フォーク界の先駆け的存在だった、加川良さんが4月5日に亡くなられました。
本当に残念なことで、心からお悔やみ申し上げます。
加川良さんは80年代から2000年代のはじめごろまで、横浜野毛にお住まいでした。椙江は良さんにたいへんかわいがっていただきました。中華街や野毛・関内で飲みにさそっていただいたり、
セブンスアベニューでは憂歌団のライブに飛び入りして「教訓」を歌ってくれたことや、西岡恭三さんや大塚まさじさんとの競演など今となっては伝説となったライブや、取り壊し直前の横浜三菱倉庫でのイベント「ヨコハマ・フラッシュ」に加川良with村上律で出ていただいたことなどいろいろ な思い出があります。
良さんを音楽でおおくりしたいと、周りのミュージシャンたちが手をつくしてメンバーを集めてくれて、ゲストに鮎川誠さんらをお迎えし、四十九日の前に良さんに感謝を伝えることができることとなりました。皆さん一緒に飲みましょう。
セブンスアベニュー椙江茂起』
これが、5月12日金曜日にセブンスアベニューで行う、
加川良メモリアルライブ-良さんありがとう-の紹介文として、俺が書いた文です。
【ホストバンド】
篠原太郎 (G THE BRICK'S TONE ex.ザ・ブレイカーズ)
川又トオル(Ag)
市川"JAMES"洋二 (B ex.The Street Sliders)
柳田ヒロ(Key ex.吉田拓郎バンド)
林敏明(Dr)
永原元(Dr,Per)
【ゲスト】
鮎川誠(シーナ&ザ・ロケッツ)
永井充男
ÉGALITÉ
Rose
井上ともやす
and more...
開場18:00 開演18:30
前売¥3000 当日¥3500 (各1DRINK¥500)
前日21時まで電話予約受付中です。
045-641-2484(14:00~21:00)
横浜市中区山下町252グランベル横浜ビルB1 ライブハウス横浜セブンスアベニュー http://www.v7.com/t/7th
加川良さんとの思い出の中で、一番印象深いのは、加川良with村上律で出ていただいた、解体直前の倉庫でのイベントだ。
セブンスアベニューができて、4年後の1988年(昭和63年)。いまから29年前の話です。
1988年というのは、横浜ベイブリッジも建設中、次の年に開催される横浜博覧会YES89にむけて、みなとみらい地区は埋立地に展示物の建設が進んでいた。
新港埠頭のあたりは、新しくできた大黒ふ頭への物流の移行により倉庫街としての役割を終えつつあったが、現在の赤レンガ倉庫はまだ税関の施設として使われていて、運河の周りには、まだ、倉庫がたくさん残っていたのだ。「あぶない刑事」のロケ地となった頃、といえば、みなさんにもわかりやすいかもしれません。
横浜市中区海岸通りの運河沿いの 現在の神奈川県警察本部のビルがあるところには、昭和初期に建てられた三菱のレンガ造りの倉庫があり、その倉庫を解体する前に、一ヶ月ほど、イベントを開いてもいいという話になった。1988年3月11日から27日までアートイベントとして行われた、「ヨコハマ・フラッシュ」だ。
倉庫だから広い!運河に面した広いスペースは一部有料のイベント、真ん中がアートスペース、そして、海岸通り沿いのスペースはパブスペースとして作られた。運河には、写真家・田原桂一さんが手がけた、39灯のサンマ漁に使われるサーチライトによる光のオベリスク。今から考えても、人々の度肝を抜いた、時代を先取りしたイベントだったと思う。
椙江には、パブスペースでの横浜ゆかりのアーティストによるライブの話が、当時「横浜まちづくり研究会」に所属していた、ケンタウロスの知人経由で回ってきた。
パブスペースは入り口に、にわかづくりの受付があり、キリンビールを売っていた。ステージは、レンガの階段の踊り場をステージとし、裸電球のみを照明としていた。この空間はフォークが合うはずだ、と俺は確信した。そして、すぐに良さんに連絡したのだ。
もちろんライブは大成功。20世紀初頭からあるこのれんが造りの空間に村上律のギターが鳴り響いた瞬間、そこにいる全員が戦前の空気に金縛りにあった!!明治時代に海外からやってきた船員達の吐く息、大正時代の日雇い労働者達の汗、昭和初期の戦争と平和を激論した当時のインテリ達の声、彼らが今生まれかえってそこの空気を支配している。そこに、加川良の「教訓」の熱唱、、、80年代の横浜伝説といってもよいぐらいの衝撃だった。
横浜と音楽が融合すると、魔法のような相乗効果があるのだ。この魔法を無視してはいけない。そのことを強く思った日だった。
2年前の横浜セブンスアベニューの30周年イベントを、横浜赤れんが倉庫で行ったのも、この記憶が原点にあったからである。
都内に引っ越されてから、加川良さんとは疎遠になってしまったが、港と赤れんがと音楽、、これは俺の原点です。その瞬間に、一緒にいてくれた、加川良さん!!どうもありがとう。
海岸通りを歩くたび、あの歴史的な素晴らしい空間の魔法のことや、その空間がイベントが終われば取り壊され、20階建の近代的な県警のビルに変わってしまうことに対する、無念の気持ちが、よみがえってきますね。椙江は、時々、若い人に、この話をして、びっくりさせています。
補足
ヨコハマ・フラッシュは、7万人を集めたといいます。確かにすごい人出でした。メインのステージでは、セシル・テイラー、細野晴臣のIONESQUA#1や、山下洋輔とアート・アンサンブル・オブ・シカゴのジョイントコンサートのほか、ダンスや演劇も行われました。このイベントの成功は、後の、横浜赤れんがパークの整備や、去年オープンした、MARINE & WALK YOKOHAMAの開業などにつながっているのだろうと思います。
ネットで検索して出てくる、ヨコハマ・フラッシュの参考資料は以下です。
残念なことに、パブスペースのイベントに関する写真や記述はほとんど見つけることはできませんでしたが。
横浜市教育委員会文化事業課(当時) 野田邦弘さんのPDF www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/chousa/kihou/98/kihou098-017-024.pdf
横浜まちづくり研究会(当時) 仲原正治さんの電子書籍(有料) http://www.amazon.co.jp/dp/B014XKQJDY
写真家 田原桂一さんの「光跡」
http://www.keiichi-tahara.com/html/cn19/LightScapes6.html
