文:杉浦元重/プロコーチ・研修講師・元大学病院勤務医
医療・介護業界で看護師や医師の間で口コミで広がり、
学会のランチョンセミナーは受付開始後数分で満席になってしまうと人気の研修があります。
私自身、研修講師という立場もあるため、人気の秘密、研修当日に「来年もぜひお願いします」と依頼される
リピートの秘密、そして病院側がなぜまた依頼したくなるのか?
どのような実績をあげているのか?も知りたくて
講師のお二人(株式会社 WMcommons)にインタビューさせていただきました。
また、医療機関に限らず、多くの企業を悩ませている離職率について、お二人の研修が与える影響についても尋ねました。

元お笑い芸人であり、現役放送作家の中山真氏(右)と中原誠氏(左)
離職率低下の実績
公益財団法人日本看護協会(会員数66万人 2012年)のデータによると、2011年度の看護職員離職率は常勤で10.9%、新卒で7.5%。
新卒看護職員の研修が努力義務化により、年々離職率は低下してきているもののまだまだ病院経営者や人事が頭を悩ましているようです。
実際私もドクターの知り合いや看護部長をしている方から、「誰かいたら紹介して」と、よく言われます。
笑いのプロが提供する研修は、どの程度の実績を出されているのでしょうか?
2013年9月の毎日新聞の記事によると、愛媛大学附属病院では新人の離職率は2006年に23.3%に達した。
そこで研修のやり方を全面的に見直し、また2012年からは新人研修を、株式会社 WMcommonsのお二人が実施。
直接の因果関係はわからないが、離職率は劇的に改善し、2012年は2.1%に下がったという。
お二人の研修により、自己開示すること、そうすることで気持ちが楽になり仕事の意欲につながっているのでは、と田淵典子看護部長は分析する。
私自身もお二人の関わりにより、気づいたら自己開示することができ、楽しくリラックスしながらインタビューをさせていただいた。
どのような発言も大切にし、受け入れ(承認し)時に笑いに変えていただけた。
目の前の人・研修に参加される方を輝かせる。主役にする。
というお二人の姿勢は、インタビューも一貫して感じられた。
受け入れてもらうことで、そして受け入れてくれる人がいるからこそ、自分を出せる。
普段の職場では見せられていない本当はユニークなキャラクターや、時には自分の弱さや悩みを正直に出せる安心感のようなものを、研修中に受講者が感じ・体感していることは容易に想像できた。
職場に戻ってからの効果
研修講師の悩みでもあり、また研修を依頼する側も常に悩んでいることだと思う。
研修をやっても効果が長続きしない。その場限りで終わることが多い。受講者の中には、「どうせ研修を受けても・・・」と研修に対して、ネガティブなイメージを学習してしまっている場合もある。
一度きりの研修ではなく、継続的な関わりをすること。そして看護師だけでなく、病院全体に研修を通じて病院内に新しい文化を作りあげていくこと。
それは、笑いを通じてコミュニケーションに革命を起こし社会に貢献するというお二人の願いでもある。
しかし実際は3時間研修しか時間が取れないことがある。
その場合、研修の効果はでているのでしょうか?
インタビューを通して、もしかしたら今までの研修にはない、持続的な効果をもたらしているかもしれない。そう感じた点をいくつか紹介します。
①緩和と緊張による学習効果
ただ笑わせることが目的ではなく、笑い(緩和)というリラックスムードのあとに大切なことを伝えると(緊張)人は学習しやすく、また研修後も研修内容をよく覚えているようです。
ずっと前の研修内容をずっと覚えていて職場で実践しているという声もあとから報告する方もいるそうです。
②研修終了後も研修に主体的に関わる
ひな檀芸人さんを中心とした番組司会者の明石家さんまさんをはじめ、すぐれた司会者は、ひな檀芸人さん全員にスポットライトをあてるだけでなく、お客さんも番組にまきこんでいきます。
お二人は放送作家でもあり、その巻き込む力を徹底的に分析することで、研修に参加するすべての人にスポットライトを当てて活躍の場を作り、主役にしているそうです。
お客さんをつっこみ笑いをとりつつ、つっこまれた芸人さんやお客さんがいつの間にかその番組の中で、注目の的になっている。
研修の場でそれと同じことが起こっているようです。そして研修が終わったあとも、「あの先生、こういう一面があるんだよ」といったように、新しいキャラクター(その人がもともと持っていたけれど、発揮する場がなかっただけ)を発揮しながら、働くようになる。
その結果、職場に新しい風がふきこむように、今までなかったコミュニケーションが生まれていると感じました。
シンプルに表現すると(お二人も何度も口にされていましたが)、職場で働くすべての人を輝かせようとするコミュニケーションスタイルが文化として作られていく。そのような研修をされいると感じました。
決して精神論として、【目の前の人、周りで働く人を輝かせましょう】と伝えているのではなく、研修の場で、お互いを輝かせること(時に、つっこみという形で表現される)、自分自身が周りの関わりによって輝くこと。それを体験・体感しているからこそ、研修後も効果が続いているようです。
最後に、
ソリューションフォーカスセラピーの言葉に、
【肯定された時に人は変化を受け入れる】
という言葉があります。
本当は他人にきつくあたりたくないし、笑顔で仕事をしたい。
でもそれをできない自分がいます。ただ、職場に自分を大切にしてくれる人、自分に関心をもって関わり続けてくれる人がいることで、人は変化を受け入れる勇気を持ちます。
お二人のインタビューから、
【輝けた時に人は変化を受け入れ、周りも輝かせる存在になる】
そんな言葉が浮かんできました。
研修終了後、
・あるドクターが劇的に変化した
・「これまでの人生でこんなに自分を正直に表現したことはなかった」と泣いてお礼を言ってくる方
もいたそうです。
お二人の研修は問題発見力を磨く「なんでやねん力」など、他にもお笑いの要素を取り入れつつ、コミュニケーション・人間関係づくりの本質を体感できる多くの研修プログラムがあります。
お問い合わせはこちらから
下記動画は兵庫医科大学病院での研修の一部です。
発言されている方を皆さんの前でどのように輝かせているのか?
そして、周りの方たちもその方にスポットライトを当てている雰囲気が感じられると思います。
この後、職場でのコミュニケーションに変化が起こることは容易に想像がつきます。
文:杉浦元重/プロコーチ・研修講師・元大学病院勤務医
追伸:
大手の研修会社でも、離職率が20%⇒2%という実績を出しているところは
見たことがありません。
研修後の満足度が高いというアンケートをもとにしたデータは出していても、
実際に離職率が劇的に改善している。
その成果こそが、リピートに繋がっていると感じました。