まず、有安杏果さん、おつかれさまでした。
最後のライブ、本当に素晴らしいライブでした。ただただ楽しかった。
卒業が発表された日、正直な僕の気持ちは「やっぱり来てしまったか」ということだった。
というのも、武道館でのソロコンサートを見た僕は、今後ももクロとしての音楽に関する活動が物足りなくなってしまうのではないか、と思うくらい素晴らしいライブだった。笑顔を届ける、パワーを届ける、想いを届ける…その点においては、ももクロと共通する部分なんだけど、語弊を恐れずに言えば、あのソロコンサートは、有安さんが表現したい音楽というのが、音楽に詳しくない僕でも分かるくらい、ももクロの音楽とは離れていたから。でも僕は大好きだったよ、あのソロコンサート。個人的には、有安さんが表現したかった、やってみたかった音楽が、自分が心から楽しいと思える音楽だったのが、うれしかった。
Another storyのときの有安さんが忘れられない。歌詞と感情がこれまでにないくらい重なってたのかな。今となっては、そういうことだったのか、と合点がいくんだけど。
ひとつ僕が思ってもいなかったのは、芸能界まで引退してしまうことだった。
ソロでの活動の可能性を残してほしかったな、って発表の瞬間は思った。ファンだから。あなたの声が好きだったから。
でも、いろいろな場所でインタビューに答えたりする有安さんを見て、「まだ見ぬ何かに挑戦したい」という意志みたいなものを感じた瞬間、もう何も言えなくなった。だって22歳でこれから可能性がある人が、「やりたいことがある」(まだ見つかってないにしろ、「~~したい」という願望がある)という理由を抱えているならそれを拒むことなどできないから。それは同世代ということも相まってか、思いの外スッと入ってきた。
個人的な思い出、というか、有安さんという存在を知ってからのこの六年間、僕にとってある種のお手本みたいな存在だった。
挑戦することの大切さ。夢を叶えるために努力することの大切さ。時には必ずしもうまくいくわけではないという厳しさ。
それでも最後にはたくさんの人を満足させるプロフェッショナル。
笑顔と元気を届けてくれた存在?それだけじゃなかった。たぶん人間としての性格形成みたいなものに大いに影響を受けていると思う。
あなたがいたから、僕はこの六年間、駆け抜けることができた。その中で夢がひとつ叶ったよ。本当にありがとう。
正直な気持ちだけここには書くと決めたからちゃんと書く。
僕はあなたの幸せを願っている。だから新しい生活を、心の中で応援しているよ。
でも、もうひとつ、表現者としてのあなたがまたみんなの前に現れてくれるのも願っている。
これは、僕は両立する気持ちだと思ってる。どっちも揺るぎないものとして両立している。
だから。いつか、また。
「ほんとうのさいわい」は一体何だろう―――
それはたくさんの人々に幸せをもたらした、あなたの幸せだろう。