「幕が上がる」が一般公開されて二週間が経とうとしている.
私は舞台挨拶と一般に観に行き,3回幕を上げた.
映画の感想等は後々ゆっくり書くとして,本記事では「ポスターのメインが高橋さおりであること」について少し考えてみた.
というのも,私は最初にこのポスタービジュアルを見たときに疑問を感じたのだ.
いや,正直疑問を超えて少し怒りさえ感じていた.
なぜならば,この映画の主演は「ももいろクローバーZ」名義だからである.
(なおポスタービジュアルが解禁されたのはもちろん映画公開前であるから,内容など知るわけもない.)
主演の名義が「ももいろクローバーZ」であるのに,なぜ百田夏菜子がメインなのだろうか?と.
まあたしかにももクロの顔が百田夏菜子であることは間違いないし,映画も観ていないのだから私は何も言えない.それにどこか爽やかで,かつインパクトのあるこのポスターが悪いとは思わなかった.
初めて 幕が上がる を観たときはいろいろな思いがめぐりすぎて,正直ポスターのことなど忘れていた.
(まあ忘れていた時点で大した疑問ではないことがおわかりだろう笑)
2回目を観て,なんとなく気づき始め,3回目で,なんとなく自分の中で納得がいった.
「幕が上がる」はあくまで「高橋さおりの物語」である,と.
いや,もちろんももクロ5人が主役であり,お話も5人が軸になっているわけで,「みんな」の物語ではある.
しかし,私はどこか5人の物語,5人の映画としての見方を捨てきれなかったのかもしれない.
心情をナレーションでいれてくるのも高橋さおりの心情だし,おそらく小説も高橋さおりの観点であることは間違いない.(なお私は原作の「幕が上がる」はまだ読んでいない.)
ここからこのシーンがこうで,あのシーンがああだったから高橋さおりの物語なんだ,なんて言いたいところではあるが直接知り合いと会って会話をするときにとっておきたいという気持ちもあるのでここではやめとく(笑)
この映画は,視点の違いが映画の印象に大きな影響をおよぼすであろうから,複数回観る中で気付くこと,感動するポイントが変わってくるわけである.
映画館のスクリーンの大きさ,そしてそんなスクリーンのもと座る位置,自分自身がどのような感情状態でいたか...など,映画を観たときの環境だって影響してくるであろう.
私は3回目に宮城県は石巻の舞台挨拶で観たわけだが,ももクロ5人の舞台挨拶を終え,大きなスクリーンにも関わらず前から6列目で堪能した.それまでは比較的離れた位置から観ていたが,近くで観ると印象ががらりと変わる部分があるわけだ.
だからこそ.私はまた映画館で「幕が上がる」を観たい.
あの臨場感だったり,スクリーンにももクロの姿がある興奮だったりは,今しか味わえないのだ.
「もういいかな」って思った人も,もう一度で良いから幕を上げてみませんか?
五人五色,十人十色,万人万色の映画を感じませんか?