僕のこころが片思いを始めたとき、
僕のアタマは
「どうやって好きな人をあきらめよう」
と同時に考えだす
僕はいつも片思いと自己完結型失恋を永遠に繰り返している
いつも好きになるのは女の子が
好きな男の子
街を歩くときもつい目で追ってしまうのは かっこよくて かわいい男性
女の子や女性とは手をつないだり
一緒に寝たいとは思えない
祖母と一緒にいるとき
「いつかは結婚するから、待ってて」と答える
男友達と居酒屋にいるとき
「大人っぽくて、綺麗な女の子がタイプだ」と答えている
仕事をしているとき ふつうの男性スタッフとみられるように努力している
寝言をいうとき 好きな人の名前はぜったいにつぶやかないように気をつけている
僕を受け入れてくれている友人には
「僕はかっこよくて 綺麗な男の子が好きだ」と胸をはっていえる自分もいる
早朝ゴミ捨て場の猫のあくびをみたとき
夕暮れの家々から漏れてくる料理の香りや家族の声をかんじたとき
深夜2時の誰もいない交差点でひとり信号待ちをしているとき
ふと「世の中にはこんなにひとがいるのに 俺にもひとりくらい好きな人をわけてください」
と空に問いかけるが まだ一度も返答はない
この世で最後の呼吸を終えるまでには
「一度くらいは両想いになってやる」と意気込んで毎日を暮らしているのが今の僕だ