皆さん、アウゲル石ってご存知ですか?



アウゲル石とはアルミニウムのみを主成分とする燐酸塩鉱物で、スウェーデンのヴェスタナ鉱山で1868年に発見されました。


主な産地は米国のメイン州、カナダのラピッドクリーク、ペルーのムンドヌエボ鉱山、ボリビアなど。比較的限られた地域でしか見つかっていません。


ちなみに日本でも少量産出されたことがあるそうです。


また現在はアウゲル石やオージェル石と呼ばれるのが主流になっていますが、日本で発見された当時に付けられた名称は燐礬土石だそうです。


そんなアウゲル石ですが、今回はボリビア産のものを紹介します。


ベストショット。


水晶や黄鉄鉱、閃亜鉛鉱と共生しています。


Colavi Mining District, Potosí, Bolivia


ボリビア産のアウゲル石といえば無色透明のものが有名ですが、この標本は爽やかなミントグリーン色をしています。


このような色味のものは初めて見たため、同じような写真がないか探してみましたが、今のところ私が投稿したもの以外見つかりませんでした。



そこで事情を詳しく知る方に聞いたところ、どうやらボリビアの現地の方がフォスフォフィライトを探して険しい山を彷徨っていた際に本鉱を発見したそう。


最初はやっとフォスフォフィライトを見つけた、と喜んだそうですが、どうも結晶の形に違和感を覚え、後日鑑別に出したところ、アウゲル石と判明した、ということだそうです。


ちなみにその方は、フォスフォフィライトではないとわかりがっかりしたため、二度とその場所には行かないと言っていたとのこと。


そして採集したいくつかの標本も私が購入した所にのみ売ったため、国内はおろか国外でも一切流通していない非常に希少な標本となりました。



動画も撮ってみましたのでぜひご覧ください。

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