朝の空気しか知らない上り道

いつも縋る腕は遠くて、そっけない


転がり落ちそうなくらい急な坂道


夜の空気に胸がときめく下り道

いつも一人きり、目印を確かめる


坂道といえば、今はそこしか思いつかない

甘噛み



奪われて


光る


甘い悪戯


必需品は、シロップ味のリップクリィム

欲しかったのはそれじゃなくて

着替えても、着替えても、違うの


表現し続けなければ呼吸ができないあなたが

泳ぎ続ける回遊魚みたいに

探し回った末に辿り着くのはいつも同じなように


あたしも、あなたも、ぐるぐると思いを巡らせて

ただの一度も視線を合わせられない


覚えてないでしょうって言うのは、確信があるから

誰にだって当てはまることばかり言う、占い師みたいだもの


何も言えなくなるのは、あたしがあたしでなくなるから

あたしの知らない世界に迷い込んでいるから


だから、欲しいのはこれじゃないって分かってる

手に入れに出かければいいんでしょう

はしゃぎたい

溺れたい

ジタバタしたい

掛け引いて、足して

割り切れずに泣いて

最終的に笑いたい


愛を縁取るFrame
eyeを勝ち取るFlame


お眼鏡にかなうContact

期待通りにふくらんで

舌の上で解けるスフレ

甘さ控えめに出来てる

泡のように饒舌な関係

指を滑らせれば、両の手が繋がって

歩幅が少しずつ揃っていく

スローモーションの映像は、いつのことだっけ


俯いたり、空ばかり見ている

あたしの手を引く、その手を探してる


寂しいとも、会いたいとも言えなくて

言葉の端っこに期待して、はしゃいで

ただ待つしかできないみたい


好みを聞かされたら、いつのまにか覚えていたりして

どうしようもない気持ちに、堪らなくなるのよ


何度、心を閉じようとしても、出来なかった

それだけでも伝えられたらいいのに

スフレ

めがね

ラブコメディ

唾液

リップクリーム

自転車

カエル

百日紅

リボン

ハンサム

指輪

グレープフルーツ

ジャム

坂道



欲求に素直になると後悔する。

更改し続けて、何れかは叶う。

願いを込めて、公開しよう。


僕は航海に出たいんだ。

狙われたい

捕らわれたい

噛み付きたい


四方から攻められたい

一色にて退治しようとも

心震わすのを止められない


司法には責められない

意識して対峙したくとも

ここに現すのは止め処もない 


だからもう、奉仕には管理が必要

雨のせいで、水の底にいるみたいだ。


掴みとれない重たさが、体にのしかかってくる。


空を電車が横切っていく。


上のほうから誰か覗いてんだろ。


気のせいじゃない。


満足した? したい? させたい?



雨のせいで、水の底にいるみたい。


掴みとりたい重たさで、体にのしかかってきて。


空の電車が横切っていく。


上のほうから誰か覗いてるんでしょ。


気のせいじゃない。


満足して。 させて。 しよう。