古民家再生、一番大切なのは見えないところ
昨年末、愛知県で古民家再生が完成しました。その監督と他の現場で顔を合わせました。
「あの時は、工事が遅れて申し訳ありませんでした」2か月ほど完成が遅くなり、お客様にご迷惑をかけたのです。
「思ったより大工さんの手間がかかってしまいました。予想以上に痛んでいたので・・・」
古民家再生は蓋を開けてみないとわからないところが多々あります。できるだけ、お客様に負担をかけないようにしていますが、この現場では、工事期間が延びてしまいました。
「今日も新聞に、古民家再生の折込チラシが入っていたけど・・・定額制なんて書いてあったよ」
「本当に信じられませんよね。私たちは悪いところを見ちゃうと、黙っていらませんが・・・きっと見ないふりして蓋しちゃうんでしょうね」
例えば、営業と工事を別々のスタッフが担当していると・・・営業は見積りを安くしてでも仕事をとろうとする。そして、工事担当はその中で利益を出そうとする。その結果は当然、安かろう、悪かろう。
完成したインテリアの見てくれなど、どうにでもカモフラージュできます。大切なのは、見えないところ。だから、良識と誠意のある造り手と、これからも一緒に仕事をしていきたいと思っています。
建設会社の忙しさは、3月末以降も続きそうです
今月は、多くの工事が完了します。
「確かに3月末までは忙しいのですが・・・それ以降が心配です」以前はそう言っていた建設会社が、「まだ当分は、この忙しさが続きそうなんですよ」と言い始めました。
「アルミサッシが現場に入ってこないので、外壁のサイディングが張れないんです。仕方がないから、外壁をぐるりとブルーシートで囲って、大工さんには造作工事を進めてもらって・・・」異常事態です。
「職人さんの手間賃もうなぎのぼりだし、建材も値が上がっているんです」悪い予感がします。経済が登り調子になると、必ず工事費が上がります。
弊社の仕事を優先してくれる建設会社があるとはいえ、職人さんの数は限られているので、現場は遅れ気味になります。
明日、明後日と大型物件の見積もりが上がってきます。弊社なりの積算はできていますが、はたしてその通り出てくるのか。少々不安です。
写真は、工事費概算を検討しているスタッフたちです。
アメリカ人建築家の「縁側の思想」を読みました
ジェフリー・ムーサス著「縁側の思想」を読みました。この本には「アメリカ人建築家の京町屋への挑戦」という副題がついています。
ジェフリー・ムーサスさんは、ニューヨークに生まれ、MIT大学院を卒業。その後、槇総合計画事務所、谷口建築設計事務所という名だたる設計事務所に勤務。京町屋に魅せられて、数寄屋大工の最高峰、中村外二工務店へ。そして独立し、日本建築の良さを生かしたデザインを手がけている。
この本の中で紹介されている、古い日本家屋の再生は、弊社でも行っていることです。
ただ日本人は、海外の優秀な人が日本文化を高く評価してくれることをことのほか誇りに思います。だから、こういう方が、日本家屋を魅力的に再生してくれることは、とても価値がある。
いまや、大手ハウスメーカーまで「古民家再生」を商売にしようとしていますが・・・伝統的な木造を熟知している人は本当に少ないのです。初歩的な和風のデザインでさえ、ちゃんとできる設計士も希少です。実は、それが偽らざる現実。だから、「古民家再生」もできます。なんてテレビコマーシャルが流れると、いや~な気分になります。
この本を読んで、耐震補強は大丈夫かとか、断熱改修はできているのか、少々心配になりました。しかし、ジェフリーさんが日本家屋に愛情を持っていることは、ひしひしと伝わってきます。
これだけ優秀な方だから、きっといろいろなハードルを越えて、より高い次元の再生を提案してくださると期待しています。
