今や「他人の目が気になる」は「他人に迷惑をかけなければ何をしてもいい」という解釈で行動する若者を増やしています。本来「他人の目が気になる」は、自分の行動が周囲にどんな影響を与えるかを「考えて」行動しなさいという教えです。ところが幼少の頃に叱られ続けた子は、「自分が叱られないためにはどうしたらよいか」ばかりを考えるようになり、その後ずっと、とにかく、叱られないために、仲間はずれにされないために、馬鹿にされないようにするためにはどうしたらよいかばかりを考えるライフスタイルとなり、そうして自己擁護することばかりを考える人格を形成してしまうのです。これはとても危険です。

子どもの発言は親の通知表です。

同じライフスタイルや思想に関する発言でも、「父ちゃんが勉強するなって言ってる」と言うのと「他人に迷惑をかけなければ自分の命をどうしようと勝手でしょ、とやかく言わないでください」という発言は訳が違います。


自分の行動が周囲にどのような影響を与えるかを考えずに行動する子が増えています。これは私たち親の通知表です。正直、不合格です。赤点です。一刻も早く、人目を気にすることの本来の意義を正確に子どもに伝える子育てに切り替えなければなりません。そのためには幼少の子どもに恐怖心を与える言動行動は慎まねばならないのです。小学生になる前までにしつけるのが重要です。何故なら小学校から本格的な社会生活が始まるからです。


世の中には身勝手な行動をしている人がたくさんいます。歩きスマホをしている人、咥えタバコで歩いている人、駆け込み乗車をする人、挙げ出したらキリがありません。そういう行動が「何故、身勝手な行動なのか」をきちんと説明し、子どもにじゅうぶん理解させる、そういう子育てが不可欠な時代に、私たちは子育てをしているのです。