ぬくき日に大寒そつと過ぎにけり 広

 

昨日、大寒であったが、雨が降ったりやんだりの温い日だったので、大寒という実感がないままに過ぎていった。

週半ばには冷え込むようだが、今年は元日に能登半島に大地震が襲い、倒壊した家屋、輪島市中心地の大火災をテレビで見て、胸のふさがる思いがし、二十四節気を気にとめるどころではなかった。

 

私事では1月7日、信号待ちしていた娘の自転車が追突され、娘は路面に頭部と左半身を強打、救急車で病院に搬送される事態があり、どきりとしつつ病院に駆けつけた。例年の正月と違い、落ち着かない日々がつづいた。

 

正岡子規は悟りとは、平気で死ぬことではなく、いかなる場合も平気で生きている事と喝破したが、平気で生きるということは難しい。すこしの事にも心が動揺し、平常心ではいられなくなる。煩悩に揺れつつ、大寒に心づかぬまま過ごした。