悩める愛しき友へ | 須藤峻のブログ

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すどうしゅんによる、心の探究日誌。
生きることは不思議に満ちてる。自由に、自在に生きるための処方箋。

悩める愛しき友へ 

 

今日は、悩みについて話そう。

 

人間は、よく悩む動物だ。

未来について、過去について。

自分のことを、あの人のことを。

 

でも、悩みって何だろう?

 

実はね、悩みというのは、「煙」みたいなものなんだ。

モクモクと立ち上る白煙。

その中に入ると、僕らは焦り、浮足立ち、方向感覚を失ってしまう。

 

けれど、想像してほしい。

 

煙の中で、煙を懸命に追い払ったり、払いのけたり、

蓋をしてみたり、見ないようにしたり格闘している人を。

 

そんな人を前にして、君はもちろん言うだろう。

「煙」じゃなくて「火」が問題だよ!

 

YES.その通り。それが答え。

「煙」と戦うのをやめるってこと。

 

実はね、「悩み」とは、

マインドが作り出した幻想に過ぎない。

 

だから、

どれだけ煙と向き合っても、答えはないし、

どれだけ煙を追い払っても、永久に煙の中。

 

「悩み」を解決しようとする試みが

いかに、困難な・・・はっきり言えば無意味な試みか想像できると思う。

 

煙に対して、積極的にアプローチするほどに

文字通り「煙に巻かれてしまう」わけ。

悩みがある所には、必ず、「火元」がある。

「火のない所に煙は立たぬ」ってこと。

 

この火元はね、「恐れ」です。「恐れ」という炎が燃え、

その炎に「信念」という薪がくべられている。

 

「信念」というのは、自分の中にある

「これは良いこと・悪いこと」という「ルール」。

 

「良いこと、悪いことのルール」を持っていると、

それを破ることへの恐怖が必ず生まれる。

 

「劣った人間」、「悪い人間」、「ダメな人間」になってしまう、

そう思われてしまう。

そしたら、自分はみんなの愛を失ってしまう!

そんな恐れが炎になって燃え、もくもくと悩みを生み出すんだ。

 

「優れた人間」や「正しい人間」なら、どうするだろうか?

どうしたら「優れた人間」や「正しい人間」であれるだろうか?

 

つまり、「正解はどれ?」ってことだね。

この答えのない問いが、悩みの正体。

 

例えば、

君は、将来について悩んでいるとしよう。

 

この悩みは「煙」だ。

実態がない。

もし、君が懸命に煙と格闘し、

結果「将来についての明確なビジョン」を見つけたとしよう。

「将来の保証」でもいい。

 

君の悩みはなくなる?

 

ひと時はね。一時的に、「蓋」のおかげで、君の視界は良好になるだろう。

けれど、しばらくすると君は、別のことで悩み出す。

炎は消えていないからね。別の穴から煙がやってくるわけだ。

 

君はきっと、別の悩みを生きている自分に出会うだろう。

健康や、容姿や、人間関係や、自分の能力についての。

 

ひとつの悩みを「解決」すると、

「悩み」は別の形で再生産される。

これは、永久に終わらないゲームなんだ。

 

賢明なる君は、もうお気づきだろう。

煙ではなく、炎を消すしかないということに。

 

そのために、くべられている薪を取り去ること。

ここからスタートするしかない。

 

おっと、焦っていきなり炎に手を突っ込み、

でかい丸太を取り出そうとしないこと!

やけどするからね。

 

まずは、小さな小枝、炎の周辺にある

小さな小枝の類から、処理してほしい。

小さなルール、自分に課してきた「べき」を捨てていく。

そして、少しずつ炎を小さくしていくんだ。

 

それはとても地道な作業。けれど、必ず結果が出る。

自分のルールを一つ見つけ、手放していく。

それを日々続けていくのなら、

いつの間にか、澄んだ世界が眺めている自分に気が付く。

 

そうなったらしめたものだ。

 

そこから、大物に取りかかるわけ。

自分の深い信念、常識、モラル、道徳心、

あらゆる「尺度」を手放していく。

これは、時間がかかるよ。

 

それまで、自分が信じてきた良いこと、目指してきた在り方を

捨てていくことになる。

それは、自分が、嫌ってきた存在に「なっていく」プロセスなんだ。

 

そうやって僕らは、無条件性を学んでいく。

ジャッジしない。

ありのままを、ありのままで受け入れる。

 

進むほどに、君の視界はクリアになり、

それまで自分の見ている風景が、

どれだけ煙っていたのかに気が付くだろう。

 

もちろん、そんな風になっても、恐れが燃え、煙が立ち込める日はある。

けれど、煙との格闘ではなく、

その悩みを創り出している「恐れ」と「信念」を見つけることに

フォーカスすればいい。

 

すると、煙を楽しむことができるようになる。

たまには、煙も面白い。

色々な形に変化する煙を眺めるのも一興だ。

けれど、そこに飲まれてパニックになる必要はないということ。

 

これが、悩みから自由になる方法、

すなわち、マインドから自由になる方法論だ。

 

この世界には2つの生き方しかない。

悩むのか、悩まないのかだ。

それを

・悩みを現実だと思って生きるのか、

それとも、

・悩みを幻想だと知って生きるのか

と言い換えてもいい。

 

多くの人が幻想を生きている。

すなわち、自分が作り出した幻想を現実だと思って生きている。

自分が自分のために作り出した物語世界に

一喜一憂して生きるのは、楽しい。

傷つき、傷つけられて生きるのは、楽しい。

良いこともあり、悪いこともある陰陽の世界を生きるのは、

確かに愉しいんだ。

 

けれど、その先には、もっとシンプルな世界がある。

悪いこと、ひどいことがない世界。

陰陽という幻想、わたしとあなたという幻想を超えた世界。

悩みのない世界。

 

そこへ行こうか。

 

どうやって?

実は、そんな世界へのチケットは、君のポケットに入っている。

それは、悩める人にこそ、手渡されるギフトなんだ。

 

チケットを見つけた?

 

そしたら冒険の始まり。

自由への旅が始まる。

 

君を導いてくれる出会いがあり、別れがあり、

信じられないような体験が待っているだろう。

 

傷つく日もあるだろうし、

もう何もかもをやめてしまいたい日も来る、

それまで信じてきたものが、崩れていくように思うだろう。

 

けれど、それが「冒険」なんだ。

自分の世界の外側へと足を踏み出すんだ。

自分の正義を、自分の信念を、自らが壊していく旅なんだ。

そりゃ、無傷ではいられないさ。

 

さて、どうする?

 

もう答えは決まっているね。

だって、君はチケットをそんなにも固く握りしめ、

バスが来るのを待っているんだから。

 

教えてあげる。

 

バスは、もう、来ているよ。

 

君が乗り込むのを、今は遅しと待っている。

Open Your Door, 扉を開けよう。

それは、それだけは、君にしかできない仕事なのだから。