自分のやりたい事を仕事にする方法 | 須藤峻のブログ

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すどうしゅんによる、心の探究日誌。
生きることは不思議に満ちてる。自由に、自在に生きるための処方箋。

人間は、誰もが、才能があります。
だから、自分のやりたい事、好きな事を仕事にすることが、できます。

・・・そう書くと、

 「そんな人、ほとんどいないよ・・・」
 「ごく少数のきわめて才能に恵まれた人だけだよ・・・」
 「誰もが、嫌なことだってやってる。それが、仕事だよ。」

という返事が返ってきそうですね。

しかし、僕が始めたいのは、
「なんのチャレンジもなく、なんの試みもせずに、
 いきなり、偶然に、自分の好きな事が仕事になる」
という話ではありません。

ちゃんと、丁寧に、ステップを踏んで行けば
誰にでも、「好きなことをやって、生きる」という地平に
たどり着けるという話です。

そもそも、「やりたい事をやる」ってなんでしょう。

 ゴールデンウィークも終わって、
 いつもの仕事が続いていく・・・会社行きたくないなー
 今日は会社をさぼって、映画を見よう!
 ・・・って、そんなこと、できるわけない!
 やっぱり、これが現実だよね。

という想像をしたあなた。
大きな誤解があります。

「やりたいことを、やる」と
「やりたくないことを、やらない」とは、全く別のことです。

当たり前ですけど、なんだか、ここを誤解している人がいます。

 そうか!「やりたいこと」を仕事にしたって、
 「やりたくないこと」も時にはやらなくちゃいけないよ。
 仕事だって、我慢したり不満を持ったりは、あるんだよ・・・

という、話ではありません。念のため。

「やりたいことを、やって生きる」というのは、文字通り、
「やりたいこと”だけ”で、生きる」ということです。

じゃあ、「やりたくないことは、やらない」しか、選択肢がないじゃないか!!
と思われるかもしれません。

いいえ違います。

「やりたいこと”だけ”で、生きる」とは、
「やりたくないことが、ない」という状態を生きること

なんです。

それは、目の前の出来事に、何かしらの意味とか意義を見つけて、
それを、「やりたいこと」だと、自分に言い聞かせるだけの
「ポジティブシンキング」ではありません。
間違ってはいませんけど、そんな「言い聞かせ」が
ほとんど徒労に終わる事を、僕らは、経験上よく知っている。

そうではなく、
「やりたくないことを、消す」
んです。

それは
「やりたくないことを、やる必要性を、なくす。」
とも言えます。

僕のエピソードをご紹介します。
昔、web制作会社でアルバイトをしていた頃のことです。

僕は、そのころコンピュータ、web全般なーんにもわからず、
むしろ、あまりに疎いのもいかんと思い、web制作の会社に応募してみたわけです。
(今思うと、なんて、迷惑な奴でしょう・・・)

ちょうど人が足りなかったらしく、働くことになりましたが、
入社してみると、パソコンの電源を入れることもできず、
「yahoo」というソフトを探そうとし、人差し指一本でタイピングをはじめ、
その姿を見て、雇用してくださった方々の落胆はさぞかし・・・だったと思います。

というわけで、雑務担当だったんです。
それでも半年ほどが経ったある日、新人アルバイトが入ってきました。

これが、初期の僕に輪をかけて、何もわかってない。
電源どこですかレベル、二人目。
・・・oh my god  一人目で懲りなよ・・・

さて、皆さんは忙しいので、
暇そうな須藤君と一緒に、仕事をすることになりました。
なかなかに、面倒な雑務が山積み、一人でやった方が早い・・・
しかも、その人、けっこう扱いづらい・・・

正直「あー、やりたくない」と思いました。

 デザインとかの仕事が欲しいなあ。
 いつも、変な仕事ばっかりだなあ。

そんなことを、思いましたが、
ふと「この人を、一人前にしたらすごいんじゃない?」と思いました。

そう、これは人材育成プロジェクトである!
ふむ、やってやろう!!
そう思った瞬間、なんだか、気合いが入りました。

僕は、短期間で、僕と同じくらいには仕事ができるようになる
マニュアルを作り、彼に教えはじめました。

そしたら、ものすごく楽しくって、
あー自分は、人に教えるのが、とっても好きなんだ。
そして、すごくうまいし、向いている。
こういう仕事をずっとしてたいなー、そんな事を、感じました。

彼はどんどん上達し、仕事は進み、
彼も優れた戦力として、仕事を頼まれるようになったのでした。


僕は、この勝手な教育PJを通して、
多くのハッピーなリターンをもらいました。

僕は「教育的な立場で仕事をしている」とのことで、
時給アップのお達しを頂きました。
棚から”ぼたもち”とは、この事。

さらに、あいつは、なかなか優秀だぞ・・・ということで
マニュアル作成や企画に関わる仕事をすることになり、
その後、やめるまで、面白い仕事をさせてもらいました。


さて、はじめに僕の目の前にあったのは
「押し付けられた使えない新人と、展望のなさそうな雑務の山」でした。
でも、
それは、「宝の山」に変わりました。

「わからない人に、基本事項を教える」ためには、
いろいろな小さな仕事・・・伝票整理からコピペフォーマット統一、
誤字チェック・・・は、完璧なケーススタディでした。

この時点で、僕の前から「雑務」というモノが「消えている」ことに
注目してください。

次の仕事は・・・あ!これなら、ワードを教えられる、ラッキー!
次は・・・おー、エクセルの関数の勉強には、最高だな・・・
よしよしってな具合。

「やりたくない、こと」 = 「面倒な新人との、雑務」
は、もう存在していないんです。
文字通り、「消えた」んです。

代わりにあったのは、「最高の勉強道具」。
・・・MicrosoftOfficeの基本操作、googleの複雑な検索、
   誤解を生まないフォルダ構成や、ファイル構成、
   HTMLとCSSの基本テクニック。マニュアル作成のイロハ・・・
を、学ぶための、教材でした。

この時、僕は
「雑務」をしないわけでも
(やりたくないことは、やらないわけでも)
「雑務」が、楽しい!と言い換えるでもなく
(ポジティブな言い聞かせるのでもなく)
「雑務」という仕事を、消したのです。

そこから逃げるのではなく
それは良いことなのだと、言い聞かせるのでもない。
僕がそうした・・・というより、
勝手に、「雑務」と呼ばれていたモノが消えてしまった。
そして、全く別の「教材」というモノが、そこにあった。
まるで、最初から「教材」しかなかったかのように。

それは、
「雑務」だと解釈した時に現れたひとつの現実が、
「教育PJ」と別の解釈を与えた時に、別の現実として再創造された
というプロセスです。

同じ場所にいて、同じ事をしていても、全く異なる現実がそこにある。
解釈を変えることは、文字通り、別世界を生きることなのです。
パラレルな現実に、シフトするということなのです。

少し原理的な話をすると、
「雑務」も「教材」も、そんなモノは、元々なかったのです。

それは、どちらも、僕が意味を与えたから、存在しているように見えただけ。
あるのは、無色透明の「仕事(・・・仕事と呼んでも、なお、色はつきますが)」。
(もしかしたら、誰かにとっては、
「総務の素敵なお姉さんと関わるための口実」だったかもしれません。)

「雑務」、「教材」、この2つの解釈は、まったく平行な関係にあります。
どちらが本当で、どちらが嘘・・・ということではない。
どちらの体験として、自分がその出来事を解釈し、生きる事を決断したのか。
それだけで、どちらの体験をするのかが、決まります。

すべての現実には、意味も価値もない。
それは、真っ白いキャンバスの様なものです。
雑務と呼べば、そこには、濁った絵の具が乗り、
教材と呼べば、そこには、美しい色彩が乗る。

「雑務」を「教材」と言い換えたのではないのです。
自分が、無意識に創造したひとつの現実(雑務)を、
一度ニュートラルに戻して、もう一度別の現実(教材)を創造したのです。

この世界は、パラレルワールドです。
解釈の数だけ、世界は、重なって存在している。

無数のパラレルワールドから、どの現実を選択するのか。
それを決めるのが、自分が意味を与えるという行為です。

僕らは、毎瞬、毎瞬、自分で無数のパラレルワールドから
自分が生きる現実を選択しているのです。
僕らは、そういう意味で、自分の生きる現実の「創造主」なのです。


さて、選択する現実を変えると、アウトプットが、がらっと変わります。
「雑務」をした人には、見えないもの、出せないもの、
「教育」をした人にだけ、見えるもの、出せるものがある。

全く別の視点でその仕事をし、全く別の切り口で成果を出す。
それをやると、「雑務」を頼む人は、いなくなります。
なぜなら、もっともっと、「教育」や「マニュアル化」を頼みたくなるからです。
もっと、別の案件でも、「マニュアル化」をしてほしい。
全くこの仕組みを知らない人に、わかりやすく説明する資料を作って欲しい・・・とかね。

気がつくと、
自分自身の時間は、そうやってひきよせた「やりたいこと」で埋まってしまい、
やりたくないこと なんて、入る隙間がなくなってしまいます。

こうやって、置き換えていくのです。
こうやって、現実を、ひとつひとつ、変えて行く。

それが、「やりたいこと”だけ”を、やる」という生き方への
たどり着く方法論です。

次は、さらに、深くこの方法論を掘り下げていきます。
「会社に行きたくないとき、どうするか」
にも、答えなくては!