「お金をもらっているんだから、お客様の期待に応えること。
ニーズを的確に把握するんだ!」
という話が、隣のテーブルから聞こえてくる。
声の主は、若い女学生達に就活指導をしている、おじさん。
おじさん、得意げに続ける。
「相手の心を的確に把握すること、それに的確に応えること。
オリジナリティは、その上で、出す。それがプロ」
平日午後のスターバックス、なごやかな光景である。
わかる。わかるんだよね、それは。
そして、正しいんだろう・・・
でもね、いつだって、僕はこの話を聞くと、なんかひっかかる。
「そもそも、それ、なんのためにやっているの?」
という点が、なんだか、腑に落ちない。
・ニーズの把握と、的確なソリューションの提供。
それが、出来る様になる必要性って何?
「・・・いやいや、プロフェッショナルになれるんですよ!!何言ってるの!!」
おじさんは、そう、おっしゃるだろう。
僕は続ける。では、プロフェッショナルとは「何のこと」で、
プロフェッショナルになる「必要性」は何なのだろう。
「プロフェッショナルとは、人に価値を提供するプロ!
お金をもらうんだから、当然プロにならなくてはいけないという話だ!」
おじさん、怒っちゃうだろうな・・・そんな脳内議論をしてみる。
では、人に「価値を提供すること」は、
「相手の求めているモノを知り、それに応えるということ」なのか。
「価値」とは、受け手によって査定されるモノだ。
いくら、僕が「100万円の価値がある!」 と叫んで、僕の写真を売り出しても
買い手が1円しか、価値を感じなければ、それは1円の価値しかない。
ということは、価値の提供=「相手の査定に叶うこと」だということになる。
◯ プロフェッショナル:相手の査定に叶うことに長けた人・・・
そんなハズないわけですよ。(ここに、違和感の根本があるんだな・・・と気づく)
僕は、サービスは、提供したい側の都合でしかないと思っている。
例えば、カウンセリングにおいては、
相手の求めているモノについて、考えることは、ない。
そして、それがわかったとしても、それに応えることも、ない。
なぜなら、それではカウンセリングは、できないからだ。
僕が、クライアントのニーズに応えようと頑張るとき、
クライアントは、僕のニーズに応えようと頑張り始めてしまうのだ。
(僕が、望んだ話、僕が喜ぶ反応をしはじめてしまう)
僕はいそいそと、「価値」を提供し、相手も、うやうやしく「価値」を受け取る。
そして、セッションは、頓挫してしまう。
(もちろん、それも、お互い、と~っても大切な経験で、大いに意味はあるんだけどね)
だから、僕は、自分がしゃべりたいことを、しゃべるし、聞きたいことを、聞く。
クライアントも、同じ。そこに立脚しないと、カウンセリングは成立しない。
僕は、ここに、人間関係の本質があると、思っている。
・気を使えば、気を使われる。
・自由に話をすれば、相手も自由になる。
・自分がワクワクしていれば、相手もワクワクしはじめる。
そこにあるのは、自分の行為が、相手を通じて返ってくる・・・「鏡の原則」として
知られる関係性である。
(詳しくは → 鏡の法則について)
だから、相手に価値を感じてもらうためには、
「自分が価値を感じていること」が大原則になる。
自分が、その行為自体に価値を感じている=それを「やりたい」から 「やっている」。
ここが、肝。
そして、この原則は、経済という「コミュニケーション(交換)」の現場、
即ち「人と人が、サービス(コト・モノ)を介して出会う現場」においても
変わらないのではないか。
だから、サービスとは、徹底的に「提供側」の都合だし、そうあらねばならない。
・伝え「たい」コトがある。
・サービスの提供を「したい」。
・わかりあい「たい」
だから、僕は
◯ プロフェッショナル:自分の提供したい価値を、徹底的に提供している人
だと思うのだ。
つまり、誰より、セカイに、自分に、遠慮せず、自分のために、生きている人。
誰より、自分の提供している価値に、信頼を置いている人。
そんな人が、妥協したサービスをするはずがない。
ニーズ(という名前の、自分が”想像した”相手の姿)に合わせた商品を、
仕方なく提供するはずがない。誰よりも日々、自己研鑽に務める人になる。
結果として、提供される側が、価値を感じるけれど、それはあくまで結果でしかないのだ。
もちろん、上記の「人」を、「グループ」や「企業」と読み替えてもいい。
あらゆる、価値提供の主体に通底する定義だと、僕は思う。
誰よりも、自分を信頼することは、
自分のサービスを信頼することであり、
同時に、サービスを受ける相手を信頼することだ。
そんな本当のプロフェッショナルになろう!!
・・・そんなコトを、改めてまとめる機会をくれて、おじさんありがとう。
おじさん、かわいい女の子達を前に、ものすごく「嬉しそう」。
目がキラキラしちゃってるし、トークが止まらない!
彼はまさに、今、「自分の提供したい価値を、徹底的に提供している人」である!
So, He is the プロフェッショナル!!!