こんにちは。
東京都内を中心に活動している
フリーランスのインテリアデザイナー/コーディネーター
Sudoh Designの須藤彩です。
パナソニック汐留美術館で、デンマークのデザイナー、ポール・ケアホルムの仕事を振り返る「織田コレクション 北欧モダンデザインの名匠 ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」が開幕しました。会期は6月29日~9月16日。
ポール・ケアホルム(Poul Kjærholm)彼はデンマークのモダニズムを代表するインダストリアルデザイナーで、主に家具デザインで知られています。
1929年にコペンハーゲンのデンマークで生まれ、デンマーク美術工芸学校で学び、家具職人として修練を積んだ彼の作品はシンプルでありながら非常に洗練された美しさを持っています。特に、金属と革、木材、キャンバスなどの素材を組み合わせた作品で名を馳せています。
ポール・ケアホルムのデザインは、単に機能性や美的価値だけでなく、ソフト面つまり使う人の心情へ情緒的な利点も持っています。
彼の作品に触れることで感じられる感覚や精神的な充足感は、長年にわたって愛される理由の一つです。彼のデザインが提供する情緒的な利点について説明します。
1. 素材の持つ温かみと触感
ポール・ケアホルムは、金属や革、キャンバス、木材といった天然素材に深い敬意を持っていました。彼が選んだ素材はそれぞれに独自の質感と温かみを持ち、その触感が使う人に安心感を与えます。例えば、彼の家具に座るとき、冷たい金属と温かい革や柔らかなキャンバスとの対比が感覚を刺激し、視覚だけでなく触覚も満たされます。この感触が、長く使い続ける中で馴染み深さや居心地の良さを育んでいくのです。
2. シンプルさが生む心の安らぎ
ケアホルムのデザインは、装飾を排除し、シンプルなラインとバランスの取れた形で構成されています。これは視覚的な雑音を減らし、心を落ち着かせる効果があります。シンプルな家具に囲まれることで、無駄な情報やストレスから解放され、より集中力を高めたり、リラックスした時間を過ごすことができるのです。特に、現代の忙しい生活の中では、シンプルでミニマルなデザインが心の静寂と安らぎをもたらします。
3. 時を超えて受け継がれる思い
ポール・ケアホルムの作品は、そのタイムレスなデザインによって、世代を超えて受け継がれることが多いです。彼の家具は、流行に左右されず、年月が経つほどに風格が増すため、家族や友人との思い出が詰まった「家宝」のような存在になります。たとえば、祖父母が使っていたケアホルムの椅子が、時を経て次の世代に受け継がれ、そこでまた新しい思い出が刻まれるような、感情的なつながりを持つ家具となります。
4. 物語を持つ家具
ケアホルムの作品には、一つひとつのアイテムに背景やストーリーがあります。職人の手によって丁寧に作り上げられ、素材選びや製作過程にもこだわりが詰まっています。これにより、単なる家具以上の存在となり、その家具が持つストーリーが、使い手にとっても特別なものとなります。例えば、特別な記念日や出来事に購入されたケアホルムの家具が、その後の生活の中で使い続けられることで、日常の中に特別な意味を帯びた家具へと変わっていくのです。
5. 長く使うことへの満足感
ケアホルムの家具は、耐久性が高く長く愛用できることで、持ち主に特別な満足感を与えます。使い込むほどに味わいが増す革や、時が経つほどに美しさを深める金属など、年月とともに変化する家具の姿は、使い手と一緒に成長し続けるパートナーのような存在です。長い間使い続けることで、その家具に対する愛着が深まり、物を大切にする喜びを感じることができます。
ポール・ケアホルムのデザインは、シンプルさや素材の質感を通じて、心に安らぎを与え、長く愛される家具としての価値を提供しています。
その家具を使うことで、物質的な快適さだけでなく、感情的な豊かさも得られるというのが、彼の作品の大きな魅力です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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