おはようございます!!


今回はその3で書き忘れてしまった(???)白岩優奈さんについてです。
敢えて残した訳じゃないんだからねっ!?


大会直前に熱を出してしまい、出場出来るかどうか分からなかった状態だったらしいです。
そんな中で2日間出場してくださいました。
病み上がりであれだけのパフォーマンスを出来るようになったくらいに進化しているんだなぁとポジティブに捉えることにします。
無理のない範囲での出場だったと把握する事にしていますが、新しいプログラム2つ見ることが出来ました。ありがとうございますm(__)m


・ショートプログラム
プログラムはConcertino Bianco。
振付はステファン・ランビエールさん。

参考音源
https://youtu.be/c-aaa9btCCc

ConcertinoはConcerto(協奏曲)の小規模バージョン。(イタリア語で~inoという接尾語がつくと意味や規模が小さくなります。andanteとandantinoの関係と同じですね)
Biancoは白です。

後から聞いた話ですがピアノの白鍵しか使っていないらしいです。Biancoはその意味が入っているのか。

要するに白くて小さなコンチェルトです。
もはや白岩さんそのものを表した曲と言えますね!!

白岩さんの衝撃のジュニアデビューシーズンに使われた曲がOver the rainbowとナイトワルツで、両方ともC dur(ハ長調)の曲です。
C durは調号が無く、真っ白なキャンバスのような無個性だけどどの色にも染まりうる調だというイメージです。

そしてこのConcertino BiancoもまたC dur。

4年間白岩さんはいろいろな種類のプログラムを滑り、その度に新たな良さを会得し、元々持っている良さがどんどん磨かれて行きましたが、このConcertino Biancoは白岩さんの元々持っている良さを一周回って総括させるプログラムかなと思います。

3Lz-3T 2A SSp StSq 3Lo CCoSp FCSp

まずは1楽章。静かに落ち着いた曲調です。だけどスピードも必要とされます。
プログラム最初は腕を柔らかく動かします。本人いわく「脱力」がテーマらしいです。
(白岩さんの良いところでもあるのですが)これまで気合いが入りすぎて体が固くなってしまい結果に繋がらなくなってしまうという場面を何度か見てきました。
世界ジュニアの時にステファンが白岩さんに帯同していましたが、白岩さんがジャンプを何本も何本も練習していてビックリしたそうです。
ステファンはその姿を見て、白岩さんの余分な力を取り除いてくれたのかもしれません。「脱力」はすごく良いテーマだと思います。
最初の3Lz-3Tは相変わらず切れ味の良い屈強なジャンプ。
次の2Aは着氷後の伸びと曲線の変化で柔らかく。
次のSSpはウィンドミルから入ってSF→CE→SBで1小節ごとに変化していきます。もはや白岩さんの鉄板です。
StSqはまだ上半身の動きが淡白で、ターンの正確さと綺麗さが両方とも問われてきます。ここはこれからの進化が期待されます。とりあえず途中途中で見える表情は見ているだけで幸せになります!!
3楽章に入ってギアを1段階上げたスピード感になります。
3Loはウォーレイから入って、着氷後にすぐにバレエジャンプです。
CCoSpはいつも通りレベル要件に曲の構造を合わせていくスタイルです。(SSpでも使ったウィンドミルのレベル要件に関してはどうなるのでしょうか?)
そして最後のFCSpは白岩さんが今まで取り入れていなかったバタフライからの入りです。このバタフライからの着氷が個人的ハイライト!ピタッと構造と強拍弱拍を捉えて来ました。他のレベル要件もいつも通りリズムに合わせていくスタイルです。このFCSp自体は回転速度がまだ決して速くなく進化の余地はありです。

白岩さんの爽やかなスピード感、ジャンプ前後の流れる動きの中の曲に合わせた小技、上手くなってきたスピン、ステップが十分に活かされつつ、これまで白岩さんのウィークポイントだった(そしてステファン自身が得意である)「スピンで表現すること」がこのプログラムで会得されることかな?と思いました。

個人的には雰囲気そのものがこれまでのSPの中で一番好きです。スケーティングそのものを味わうことが出来るプログラムですし、その分スケーティングそのものが極まれるんじゃないかという期待感もあります。

サマーカップの演技はひとまずの雰囲気の方向性、エレメンツの現況、全体の演技運びという面、これからの課題という面で最高の演技になりました。

白岩さんが滑ったグループの後がちょうど整氷だったのですが、見に来ていた白岩さんファン同士でお祭りが開催されていました。

結果的にサマーカップはSP1位という嬉しすぎる結果になりました。

本当にステファンありがとうm(__)m


・フリースケーティング
プログラムはAMENのサウンドトラック。
振付師はブノワ・リショーさん

参考音源(あくまでも僕の記憶です)

https://youtu.be/S2m80VMk2eU

https://youtu.be/Fx4BlHNVoo0

https://youtu.be/kjAUotCHjh8


「AMEN」は「ホロコースト~アドルフ・ヒトラーの洗礼~」という映画の原題みたいです。
詳しいことは僕も齧った程度なので述べられる訳ではありません。
ひとまず僕は「ホロコースト」がどういうものなのかをおさらいした上で白岩さんのFSを見てみました。

それからこのサントラの曲の作者であるArmand Amarは、サフマソが17-18シーズンのFSに使っていたLa terre vue du cielという曲の作者でもあります。
明確なテーマを持ちながら曲として名曲にもなりうるアーティストだと把握しています。

いずれにせよテーマがテーマですし、これまでの白岩さんのイメージとは大きく一線を画しているのは確かです。
(一番近くてダムパリですけど、共通点は"合法的に笑顔で滑ることはない"ということくらい?)

とは言え、技術的な細かさという点ではこれまで培ってきた事も活きています。リショーさんの振付が技術を表現に"叩き込む"というスタイルなので、その意味ではリショーさんの振付は合っているとも言えます。


3Lz-2T(恐らく3Lz-3Tor3Lz-3Lo予定) 3Lzfall 3F FSSp ChSq 2A 2A-1T(恐らく2A-3T-2T予定) 3S 3Lo-1Eu-2S(どこかに-2T予定?) FCSp StSq CCoSp


特筆すべき点は、これまでFSでは終盤に配置される事が無かったStSqが終盤に配置されていることです。
白岩さんくらいの体力とスケーティング技術があったら終盤にStSqを持ってきても見劣りすることはないと思いますが、体力の配分という点ではこれまでと恐らく方向性は異なると思うので、興味深いチャレンジとも言えます。

記憶が正しければFSSpまでが1曲目、3Lo付近から3曲目(ここは記憶が曖昧)だったかなと。

3Fは連続モホークから入り、跳んでから割りとすぐにFSSpです。そこまでの一連の流れはこれまでの音ハメに似通う部分があります。
ChSqではいろいろな技を取り入れています。がに股イーグルで後ろで手を組む男前なポーズもあったりします。
StSqは動きが激しいです。その3で述べた雅ちゃんのタイタニック程の運動量ではないかと想像します。「リショーさんにもっと動きを激しくと言われている」らしく、確かに感情の思うがままに動いたら物凄く伝わる演技になりそうという予感があります。

(具体的に話をしているつもりですが、正直1回観ただけでは解釈をするのが非常に難しいプログラムです。どれだけ言葉を並べても適切に言い表せている自信はありません。)

全体的に現時点で滑り込みはまだまだという感じだったのと、病み上がりだったので単純に動くのがつらそうというのも感じました。

元々全身をいっぱいに使って動くのは得意な選手です。リショーさんの方法論も全身をいっぱいに使うタイプですし、そこに緩急も取り合わせられるといったいどうなってしまわれるんだろうという感じもありました。

これまで白岩さんは、StSqに関してはレベル3が取れて流れたら大丈夫かな…?みたいな風に思っていましたが、昨シーズン終盤にターンの深さが増し、上半身の動きもそれにマッチするようになったこともありレベル4が取れるようになってきました。
こうした流れや先に述べたこともあり、このプログラムは白岩さん史上初めて「一番楽しみな要素はStSq!!」と言えるようになりました。

サマーカップの演技を見る限り、ここに3Aも入れることすら想像が出来ません。どこに入れるのでしょうか…?


最後のフィニッシュポーズを終えたあとはこれまでに無く疲れた表情をし、しばらく氷から立ち上がることすら難しそうでした。本当に本当にまずはサマーカップお疲れ様ですm(__)m


サマーカップの白岩優奈さんの記録としては以上です!!

とりあえずSPはこれまでの白岩さんの良さの総括!!FSは新しい路線の表現で白岩さん自身の男前で負けず嫌いなカッコいい姿が見られるのではないかと今から心の底から楽しみにしております。



サマーカップ観戦記録は以上です~!!