ぷーちゃんは、お母さんが大好き。
優しくてきれいなお母さんは、お料理上手でとってもオシャレ。
ケーキも上手にこさえるし、ぷーちゃんの洋服も作ってくれる。
そんなお母さんが、ぷーちゃんにとっては神様だった。
ある日、お母さんが近所のスーパーに買い物にいくという
お母さんにべったりなぷーちゃんも、勿論ついていく。
今日のお母さんは、鮮やかなグリーンのスカート。
クローバーの原っぱみたく、とってもきれい。
ちょうど、ぷーちゃんの頭の高さにお母さんのスカート、お母さんのお尻。
お買い物かごを持たないといけないお母さんと、手をつなげないぷーちゃんは
混雑するスーパーでお母さんのグリーンのスカートについていくことに決めた。
スーパーは楽しい。
お野菜、お肉、お魚、お菓子。
お買いものが終わったらいつも100円のお菓子を買ってもらえる。
ぷーちゃんはいつもそれが楽しみ。
お母さんのグリーンのスカートを目の端にしっかりおいときながら
ぷーちゃんはスーパーの商品を見て回る。
わぁ、おいしそうなとうもろこし!
いろんな形のお肉!
お魚を見るのは楽しいけれど、おめめが少し怖い!
わぁ!天井まで届きそうな棚にびっしり並べられた色とりどりのお菓子!
目がまわりそう。
「お菓子ひとつ選んでいいで」
わ~~い。
いつもいつも悩むけれど、ぷーちゃんが選ぶのはいつも「こあらのマーチ」
ひとつひとつにいろんなコアラの絵がかいてあるチョコのお菓子。
コアラのマーチをかごにいれてもらい、レジに向かう。
レジに向かう途中にあるアイスクリーム売り場。
そこでぷーちゃんは立ち止まった。
最近コマーシャルでしている、ケーキみたいなアイスクリーム。
「ビエネッタ」
アイスなのに、ケーキみたいなアイス。
すごくおいしそうなケーキみたいなアイス。
それがアイスクリーム売り場にあった。
でも、ビエネッタは100えんじゃ買えない。
ぷーちゃんはあきらめて、すぐに緑のスカートを追いかける。
後ろ髪ひかれ、ふりかえりふりかえりアイスクリーム売り場を離れる。鮮やかな緑を目の端においといて。
レジについた。ぷーちゃんは、コアラのマーチを思い出し、前にいるお母さんを見上げる。
「・・・・・」
全身の血の気がひいた。
全身の血がね、砂人形が崩れるみたくザザザ~~と
床に落ちてったの。
だって、ぷーちゃんの前にいるのは、緑のスカートはスカートでもね、
お母さんとは全然違う、知らないおばさんだったんだもん。
ザワザワ ザワザワ
周りの音が、ラジオの雑音みたく聞こえる。
迷子になっちゃった
迷子になっちゃった
もう一生おうちに帰れないかもしれない
目にうつるものがぼやけてくる
お母さん!
お母さん!
ぷーちゃんの目は大洪水。
「ぷーちゃん、何してんの!」
スーパーの袋を持った緑のスカートの、まぎれもなくぷーちゃんのお母さんが
ぷーちゃんの血の気のひいた小さな手をとる。
一瞬で血が戻る。
「もう、ちゃんとついてこんと置いていくで!」
ぷーちゃんは、お菓子売り場までは、お母さんの緑のスカートについていっていたのだけれど、
ビエネッタに気をとられたときに、緑のスカートをはいた違うおばさんに間違えてついていってしまったみたい。
温かく、柔らかい、お母さんのいつもの手。
スーパーの袋から覗く、ぷーちゃんのコアラのマーチ。
この変わらない安心感。
ぷーちゃんはこの時初めて知ったよ。
自分の目も信用できないって!
ぷーちゃんそっくりの息子くん
初のUSJにて。
今はもう10歳・・・。
今も可愛いけれど、このときって死ぬほど可愛かったなぁ。
たくさん遊んであげたし、おっぱいも自然に卒業するまでたっぷり飲ませた。
いつも一緒にいたから、何も悔いはなく、あとは将来が楽しみ。
顔はそっくりだけれど、ぷーちゃんと違うところは・・・
心が強いってとこ!それはまたいつか聞いてください。
