ドラえもんの新作映画を見た。
ネタバレ有りでブログに書いていく。

『のび太の新恐竜』
例年3月に公開されていた映画ドラえもんだが、今年は流行病の影響もあり夏に公開が延期された。ここ5年くらい毎年ドラえもん映画を観に行っている。
今年も公開日の朝イチで見てきた。

地方のシネコンなので朝9時の回は人もそんなに入っていなかった。キャパ300人のスクリーンで1席ずつ空けての販売。つまりキャパ150のスクリーン自分を含め20人程度だった。(なんだか寂しい世の中になってしまったなあ)子供連れの親子がほとんど、自分のように1人で来ている大きなお友達が数人。子供のための映画だ。子供きてくれ〜(コロナには気をつけて)

そんな中映画を見てきたわけだが、今年の映画は良作止まりかなと。(以下個人の意見なので悪しからず)

今年の映画を一言で言えば「優しい映画」の一言に尽きる。
令和一作目という節目の作品であり、「恐竜」という映画ドラえもんにとって大切なテーマを扱うだけあり、ファンの期待は相当なものだったと思う。
そんな期待に対し、ドラえもんの原点とも言えるであろう「のび太」というキャラクターの再確認、のび太の掘り下げにより見事に応えた。

監督、脚本は宝島「宝島」のお二方。
宝島についてもそのうち書きたいが、宝島と比較してしまうと今作は劣ってしまうと思う。
前半のテンポ感やドラえもん映画特有のこれから冒険が始まる感は薄い。前半〜中盤を見ていた時は正直今年はこけたかなとも思ってしまった。
のび太の冒険に仲間が付いてくる理由が薄い、疑問が生じちゃう。ここ数年の映画をスタンダードにしちゃうと理由付けや話の進むスピードには不満が出ちゃう前半〜中盤だった。


しかし


ある一点から話が変わる。
後半のスタートであろう、のび太がタイムパトロールの制止を振り切る場面だ。

今作には世界を滅ぼそうとしてるような今までの映画によくいた悪い人たちがいない。

今作の悪人はのび太なのだ。

勝手に時間移動して、歴史にちょっかい出そうとしちゃうのび太たちが悪いやつらなのだ。

これは現代的!革命!それ言っちゃう!?

タブーに触れた瞬間であり、鳥肌が走った。

そしてこの時僕は本作がすごく優しさにフォーカスした映画なのだと気付いた。

のび太が歴史を変えようとするのは恐竜を守るためであり、のび太の優しさからくる行動であろう。
新日本誕生で描いた母的な優しさ。
本作でも恐竜を育てる過程で描かれている。
宝島で描いた父的な優しさ。
本作でも飛ぶ練習をするシーンで…

作品を通して描かれている、人に寄り添える優しさ。それこそがのび太の優しさであり、のび太というキャラクターを物語る。

そりゃ前半のスピード感ないのもわかりますわ。

そして恐竜と別れる時にのび太が言ったセリフ

たぶんいつになってもどこに行ってもこの時に別れた恐竜とまた会えるなんて、普通に考えれば思えない。

「またいつか」「どこかで」「会おう」
絶対にまた会いたい人に対して使うような言葉じゃないでしょう。

でもそれを心から言えちゃうのがのび太であり、その根拠はのび太の優しさに他ならない。



とっても優しい映画でした。