原題は、「The Living Daylights(小説の邦題「ベルリン脱出」)」、意味は「正気」など。
米ソ「冷戦」は、「緊張緩和(デタント)」を経て、終結へと向かっていました。
1989年には「ベルリンの壁の崩壊」が間近に迫る。
このような状況下、部署統合、配置転換、人員削減、ひいては派閥対立なども起きたことでしょう。
他方で、局地的で物理的な、「熱い戦争」は続き、1979年、ソ連はアフガニスタンに侵攻。そのような世界情勢を反映した作品になっています。
本作は、シリーズ誕生25周年記念作品で、大型予算で制作されました。
前作で降板したロジャー・ムーアに代わり、4代目ボンドとして、シェークスピア俳優として有名な、ティモシー・ダルトン(Timothy Dalton)が登場。
彼は、「女王陛下の007」の時も、「ムーンレイカー」の後もオファーされていたが、「若さ」を理由に遠慮していた経緯は有名。
さらに、ミス・マニー・ペニーも代わり、
ソ連側もゴーゴル将軍に代わり、プーシキン将軍が新たにKGB新長官として登場します。
それでは、いつものパターンで。
復習を兼ねて(簡易説明が「 ロシアより愛をこめて」にあります。)
①「ガン・バレル(gun barrel)・シークエンス」、銃口のシーン。
② 短いストーリー。
ジブラルタル島でのダブルオー(00)要員の訓練中、かっての言葉「スパイに死を」との標札を付けられて、004が殺害される。
ちなみに対岸は、本編の舞台モロッコのタンジール。
本編に直結。
③ 主題曲とオープニング・クレジット
ノルウェーのバンドa-haが同名タイトル曲を歌い、ジョン・バリーとコラボ。
(ジョン・バリーはこれが007シリーズ最後に。)
④ 本編
小ストーリーから継続して、物語は進みます。
ソ連の重要人物コスコフ将軍は、英国政府に亡命を希望し、その任務にボンドを指名。ボンドは、同僚ソーンダースと共に、チェコスロバキアのクラシック演奏会場付近で待機。
しかし、脱出のまさにその時、コスコフを狙撃する人影が。
ボンドは、その人影がチェロ演奏者であり、直感で狙撃の素人と気づき、意図的に狙いを外しておく。
無事脱出して亡命に成功したかに見えた、このコスコフ将軍の亡命劇には、しかし、裏があった。
ボンドは、あの時のチェロの美人演奏家カーラに接近を図るが、ウィティカーなる人物が影に存在しているらしかった。
個人的な好みなボンド役としては、ショーン・コネリーに次いでティモシー・ダルトンが2位です。
出演
① ジェームズ・ボンド : ティモシー・ダルトン(Timothy Dalton)、TVドラマ「チャック」。
② カーラ・ミロヴィ :マリエル・タボ(Maryam Dabo)。
③ ゲオルギ・コスコフ:ジェローン・クラッペ(Jeroen Krabbe)「トランスポーター3 アンリミテッド(Transporter 3)」
④ ブラッド・ウィティカー: ジョー・ドン・ベイカー(Joe Don Baker)「フレッチ/殺人方程式(Fletch)」、本作以降も、別役で出演、「007ゴールデン・アイ(Goldeneye)」、「007トゥモロー・ネバー・ダイ(Tomorrow Never Dies)」
⑤ レナード・プーシキン: ジョン・リス=ディヴィス(John Ryts-Davies)、「レイダース/失われたアーク(聖柩)(Raiders of the Lost Ark)」、「ロード・オブ・ザ・リング・シリーズ」。
⑥ M:ロバート・ブラウン。
⑦ マニー・ペニー: キャロライン・ブリス(Caroline Bliss)。
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