徒然に徒然に。焦らず、慌てず、自分のペースで我が侭に。
1日最大40分しかプレイできない仕様の3DS『鬼トレ』、毎日長時間実験プレイした人は逆に脳が痩せ
ソース文
岩田
“覚える”という行為は、一度ワーキングメモリーに入れた後、
正しい場所に入れ直さないといけないので、
その容量や働きがいいか悪いかは、
物覚えがいいか悪いかを、決めているわけですね。
川島
はい。ですから『鬼トレ』を手に受験勉強してもらうと、
点数が伸びる効果があると考えられます。
また、ワーキングメモリーとは、
「情報がオンラインでどれだけ入るか?」なので、
容量が大きくなれば、的確な判断ができるようになります。
だから瞬時の判断を求められる、
働きざかりの世代にもオススメです。
岩田
また、「1日5分以上やってほしい、でも、やりすぎはダメだ」
と、先生からうかがったことも新鮮でした。というのも
「このトレーニングは、やればやるほどいいわけではなさそう」と、
先生は発見されているんですよね。
川島
はい。実験で、学生にトレーニングをさせたんですが、
協力してくれた学生は「短期間に集中して鍛えたい!」という
野望を持ちまして、毎日、4~6時間ぐらいやっていたんです。
岩田
あの疲れるワーキングメモリーのトレーニングを、
1日6時間もですか?
川島
はい、僕にはとってもできません。
でも東北大の学生は、根性があるんですね。
アルバイト代を稼ぎたいのもあって
やってくれました(笑)。
岩田
(笑)
川島
5日間くらいやった後、脳を測りました。
そこで我々が愕然としたのは、
増えると思っていた大脳皮質の体積が減っていた、
つまり、脳が痩せ細っていた、というデータが出たんです。
岩田
“脳が痩せる”というのは、どういうことですか?
川島
ひとつの解釈として、
先ほど「大脳皮質のピークは8~10歳で、
そこからは逆に痩せていくのは発達段階の変化である」
と述べましたが、まさにこれが生じたため、
よりよく働く、有効なネットワークに変化して
体積が小さくなったというものです。
岩田
はい。
川島
ただ・・・これは矛盾していると僕は思っています。
「短いプレイ時間で1か月やれば脳の体積が増えるのに、
長いプレイ時間で短期間やると減るのはなぜか?」
「脳の体積が増えたり減ったりするのはどこで切り替わるのか?」
いま、研究しているところです。
この学生の場合、前頭前野の中でいちばん減少した領域は、
じつは対人コミュニケーションにかかわる部分でした。
ですから、僕は「“過ぎたるは及ばざるがごとし”が、
研究結果に出たに違いない・・・」と思っています。
岩田
「よい変化とは言えない可能性が高い」と、
先生は感じているんですね。
川島
はい。実際、1日6時間もトレーニングをしたら、
残りの時間が犠牲になってしまいます。
つまり「対人コミュニケーションで使う脳の部分が
使われないために減ったのではないか?」
というのが僕の解釈です。
岩田
なるほど。
川島
どういった解釈が正しいかは、まだわかりませんが、
「原因が解明できるまで、長時間のプレイはしないほうがいい(※7)」
というのが僕らの結論です。
※7
長時間のプレイはしないほうがいい=ワーキングメモリーを鍛えるトレーニング『鬼トレ』は、ソフト内に8種類収録されています。1つのトレーニングは1日1回、約5分間しかプレイできない仕組みになっており、1日最大約40分間(約5分間×8種類)しかプレイできません。
岩田
“覚える”という行為は、一度ワーキングメモリーに入れた後、
正しい場所に入れ直さないといけないので、
その容量や働きがいいか悪いかは、
物覚えがいいか悪いかを、決めているわけですね。
川島
はい。ですから『鬼トレ』を手に受験勉強してもらうと、
点数が伸びる効果があると考えられます。
また、ワーキングメモリーとは、
「情報がオンラインでどれだけ入るか?」なので、
容量が大きくなれば、的確な判断ができるようになります。
だから瞬時の判断を求められる、
働きざかりの世代にもオススメです。
岩田
また、「1日5分以上やってほしい、でも、やりすぎはダメだ」
と、先生からうかがったことも新鮮でした。というのも
「このトレーニングは、やればやるほどいいわけではなさそう」と、
先生は発見されているんですよね。
川島
はい。実験で、学生にトレーニングをさせたんですが、
協力してくれた学生は「短期間に集中して鍛えたい!」という
野望を持ちまして、毎日、4~6時間ぐらいやっていたんです。
岩田
あの疲れるワーキングメモリーのトレーニングを、
1日6時間もですか?
川島
はい、僕にはとってもできません。
でも東北大の学生は、根性があるんですね。
アルバイト代を稼ぎたいのもあって
やってくれました(笑)。
岩田
(笑)
川島
5日間くらいやった後、脳を測りました。
そこで我々が愕然としたのは、
増えると思っていた大脳皮質の体積が減っていた、
つまり、脳が痩せ細っていた、というデータが出たんです。
岩田
“脳が痩せる”というのは、どういうことですか?
川島
ひとつの解釈として、
先ほど「大脳皮質のピークは8~10歳で、
そこからは逆に痩せていくのは発達段階の変化である」
と述べましたが、まさにこれが生じたため、
よりよく働く、有効なネットワークに変化して
体積が小さくなったというものです。
岩田
はい。
川島
ただ・・・これは矛盾していると僕は思っています。
「短いプレイ時間で1か月やれば脳の体積が増えるのに、
長いプレイ時間で短期間やると減るのはなぜか?」
「脳の体積が増えたり減ったりするのはどこで切り替わるのか?」
いま、研究しているところです。
この学生の場合、前頭前野の中でいちばん減少した領域は、
じつは対人コミュニケーションにかかわる部分でした。
ですから、僕は「“過ぎたるは及ばざるがごとし”が、
研究結果に出たに違いない・・・」と思っています。
岩田
「よい変化とは言えない可能性が高い」と、
先生は感じているんですね。
川島
はい。実際、1日6時間もトレーニングをしたら、
残りの時間が犠牲になってしまいます。
つまり「対人コミュニケーションで使う脳の部分が
使われないために減ったのではないか?」
というのが僕の解釈です。
岩田
なるほど。
川島
どういった解釈が正しいかは、まだわかりませんが、
「原因が解明できるまで、長時間のプレイはしないほうがいい(※7)」
というのが僕らの結論です。
※7
長時間のプレイはしないほうがいい=ワーキングメモリーを鍛えるトレーニング『鬼トレ』は、ソフト内に8種類収録されています。1つのトレーニングは1日1回、約5分間しかプレイできない仕組みになっており、1日最大約40分間(約5分間×8種類)しかプレイできません。

