みなさんこんにちは、小宮スタジオ2年のういです。
突然ですが、下の写真はウィーン市内でも観光客からの人気が高い場所で
撮影したものですが、一体どこだと思いますか??
高いドーム型の天井に、木製の棚。中心には石像。どこかの博物館?
いいえ、違うんです。
実はこれ、図書館です。
オーストリアを治めていたハプスブルク家によって、18世紀前半に宮廷図書館として宮殿(ホーフブルク宮殿)内に設置されました。
今となっては一大観光地の宮廷図書館ですが、
かつてこのように一般市民に公開されることはありませんでした。
まして、今日のように"図書館"という施設が
一般市民の生活の中に存在するものではありませんでした。
というのも、かつて図書館というのは知の宝庫であり、
皇帝の権力を示すものであったからです。
このプルンクザールも図書館の中心に皇帝の石像が置かれ、
書物が皇帝を取り囲む様子から当時の図書館の在り方が顕著に現れています。
ところでみなさん、現代において"図書館"はどのような施設ですか?
誰かの私有地に入る感覚でしたっけ?そんなことないはずです。
現代では、「図書館=公共空間」という型が出来上がっているのでないでしょうか。
今回は、ウィーン市内の図書館調査を通して、公共空間としての開かれ方を見ていきたいと思います!
まず初めに先ほど紹介した宮廷図書館。
奥行き80m 高さ20m、天井には華やかなフレスコ画。
世界一美しいバロック様式の図書館としても知られています。
ちなみに、この図書館のちょうど裏側に
もう一つのオーストリア国立図書館があることをご存じですか??
こちらもオーストリア国立図書館ですが、観光目的での入館を一切受け付けていません。
とはいえ図書館を通して公共空間の在りかたを考察したかったので中に入りましたが…笑
一般市民用なのに入館チケットを買う必要があるのですが、
受付で「観光用じゃないよ!」と何度も念を押されました…💦
中は本当に静かで、足音を立てるのもはばかられます。
学生や社会人、ご年配の方が見受けられ、勉強しに来ている人ばかりでした。
雰囲気をつかむために私もしばらく自習スペースでノート整理をしてみましたが、
本当に静かすぎて居心地が悪いくらいです…!
一転してお次は大学図書館。
SVでお世話になったウィーン工科大学(TU)や、ウィーンのトップ校ウィーン大学にある図
書館を見学しました。大学ごとに特徴は違いましたが、
どの大学図書館にも自習室だけでなく
コミュニケーションを取れる歓談の場が設けられていることが印象的でした。
(↑内部生ではないので外からしか見られませんでしたが!ウィーン大学ではクリスマスに合わせて自習室がデコレーションされていました!)
最後にこちら、ウィーン市立図書館。
幼児からお年寄りまで幅広い年齢層の利用者が見受けられ、
館内にはにぎやかなスペースと静かな自習スペースが混在しています。
また、入り口付近ではアート作品の展示やちょっとしたイベントも行われていて、
とても市民に開けた印象を持ちました。
またこの市立図書館、本館は市の中心から少し離れているのですが、
サテライトが市の中心部にあります。こちらも本館同様、様々な利用者を受け入れています。
ここまで、図書館を例に 帝国>国>大学(国立)>市立 とみてきましたが、
徐々にフランクな、誰でもウェルカムな雰囲気になっていったと思いませんか?
このことから、運営主体の規模が小さくなるほど、
多くの人に開けた公共空間になると言えるのでないでしょうか。
では、今回はこのへんで。
最後までお読みいただきありがとうございました!