もう私の人生ではこれがファイナルアンサーじゃないかという、究極のパウダーをみつけました。

せっけんは248個を試して、仏の塩さくらんぼにたどり着きましたが、ファンデーション類のジプシー歴は、その年月と個数を超えていると思います。
 

中学生から噴火のようなドンッニキビに悩み、化粧で埋めちまえーという猛烈な逆バリ思考で15の夏からずっとファンデーションを使い、その結果、月面クレーターのような跡だらけになった肌を今度はひた隠しにする20、30代を経ました。
ひと筆書きしたけれど、この日々をおもうと涙がでそう。

 

富山に一軒しかないマハラジャで青春の鬱憤を晴らすため踊っていたら、美容師のお姉さんから、ゲランの脂性肌用クリームがニキビによいよと教えてもらい、明け方にその足でヒッチハイクと鈍行を乗り継いで東京さ行っただよ。

反動で、そのすべてが…。化粧のけの字もめんどうになってしまい、もう二度とファンデーションなど塗らん、と過ごしていた40後半のある日。


ふと、

「世間は麻の衣がいい、綿の下着がいいというけれど、自分は絹の服に、親和性を感じるな」と思いました。

 

そしてシルク製品を愛好しはじめて、下着は絹、仕事の施術着も絹、そんな日々でなんとなく出会ったのが「野蚕」のパウダーでした。人生って、欲しくなくなってから欲しかったものが手に入るのはなぜだろう。


人の手で営む「家蚕」には5000年の歴史があるけれど、ほぼ「野良」育ちのヤママユガの「野蚕」パウダーをふくめ、次世代のバイオ素材としてシルクの研究が進んできたのは、つい1990年代からだそうです。

 

くわしくは店の案内に書きましたが、厳しい日差しや外気に耐える野蚕のマユは「多孔質(ポーラス)」という微粒な穴がたくさんある構造になっており、その仕事力がはんぱないです。

 


多孔質構造のおかげで、UVカット性(最新研究では9割方の紫外線を避けられるという)、保湿性、吸湿性、生体親和性にすぐれ…肌にピタッと吸いつきながら、ベールのようなさらさら感を保つのです。

 

どうなっているのこれ?

 

「おまえさんたち、ひょっとして、生きてるのかい?」


交信を試みましたが。

しーん。
 

 

それほど、「生きたバランス!」としか思えない、天然の吸脂性↔️保湿性の調節ぐあいは、これまでのどんな多機能ファンデーションにも感じなかったものでした。

 

そしてこれまで出会った、どんな自然派のクレイや真珠パウダー、家蚕シルクやミネラル系のパウダーにもない細やかさ(5ミクロン…メーカーさんの気合の技術です)で、私のグレきったひどい毛穴を、そっと包んでくれました。


これまで30年もパウダージプシーしたものですから、にわかに信じることはできず、すぐに商品化する気もおこらず、1年間以上家族・友人・知人で試してもらいました。疑心暗鬼になりすぎたせいか、最低でも半年、一年は実験しないと肌に触れる商品を勧めたり売ったりできない。経験していない季節に言質はもてない。

しかし、これだけではなかった。
シルクは、着る、塗るだけじゃない。抗酸化作用、解毒作用があり、糖尿、ガン、認知症予防、そして二日酔いやメタボ、高血圧、腎機能低下など、生活習慣病対策として、野蚕シルクパウダーを飲む人々がいるというのです。


オカルト?


岐阜のメーカーさんはもとより、日本野蚕学会、学会員の樋口さん営むワイルドシルクミュージアムなど、何度も通って勉強させていただきました。

小さいけれど、世界じゅうの野蚕の智慧がつまったワイルドシルクミュージアム


そして、納得しました。シルクは天から人への福音だ。

 

シルクパウダーは、日焼け止め、フェイスパウダーなど美容、整肌に使えるだけでなく、健康食品へと、百様にすがたを変えて人間をたすけてくれる。

シミを塗りつぶすような、カバー力はありません。でも、シミに色っぽくベールをかけて、その人の肌を「ちょうどよく」見せてくれる。

 

嬉しかったのは、これまでファンデーションジプシーだったという、サロンメイトの久保佳子ちゃんも「長年の漂流が終わった!」と言ってくれたこと。

 

これまでジプシーしてきた皆さんの、終着点になればいいなと思います。

もちろん、うちの店で買わなくてもいいのです。検索すれば、国内で4~5ショップ、もっとかな? 出てくると思います。
 

うちは天然のままにしているけれど、若い女性は、匂いや色を化学処理しているほうが、安心して使いやすいかもしれません。

 

そのなかでも「ちい恋」の商品を好んでくれる方がいるのは、利益度外視の価格もさながら(これは言わせてくださいな滝汗やせがまん価格)、

みつはしちかこが78歳の今も、僅かなC5%ていどの色の違いや、ほんの0,2ミの線の強弱にこだわり、「細部に神が宿る」を大事にしているのを、皆さんが感じてくださってるからだと思います。

だから、ファミリー全員がOKするまで、デザイナーさんには前代未聞の5回リテイクというご迷惑をおかけしました。ごめんなさいのおかげさまの感謝さま…、全員が納得の一品に仕上がりました。

 

そして。

本品は飲用の形状に制作していないので、おすすめはしないけれど、万が一、災害などが起こったときに、良質なタンパク源として、命の助っ人になるんじゃないかと。(味は、うっすら甘味と塩気のある不思議なプロテイン味)

そういう、まさかのお守りパウダーとしても可愛がっていただければと思います。



チッチの白雪パウダー といいます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

妃殿下もお蚕をこよなく愛しておられたのだそうです。知らなかったです。平成とともに、この儀は、終了するでしょう。

 


 

最後にシルク・蚕トリビアを記しておきます。
 

●シルク製の戦闘服を着ていると、ケガしても膿みや腫れが少ないので、古代中国の王族は、3千年間ほと養蚕を門外不出にしていた。

⚫登山家、冒険家の下着はシルク率が高い。

●製糸工場で働くひとの手がすべすべで綺麗なのは、絹の成分セリシンに保湿成分が多く、紫外線をはばみ、抗酸化作用があるため

●絹のたんぱく質は、人体にアレルギーを起こしにくい

⚫家蚕や野蚕の和紙で食品を包むとペーパータオル等と比べて、雑菌、カビが繁殖しづらい。(ということは人体にも)

⚫脂肪肝のラットにシルクパウダーを食べさせると脂肪が消滅した実験が。(絹タンパクは体内の糖分や脂肪分を吸着し排出しやすい)。

 

⚫アメリカでナイロンが発明された時、

「これで日本の絹に勝つ」という意味で、

NYLON(逆から読むとNOLYN、日本の農林省のこと)と、名づけた。

参考文献『絹大好き 本の泉社』赤井宏総監修 長島孝行監修 中山れいこ著 

 

これ、、驚きません?

日本の養蚕業と絹の品質は、かつては世界じゅうの脅威であり、称賛の的であったのです。
(イギリス、フランスは、何度も絹の国産化や植民地栽培に失敗)

お蚕さんと日本人、すごかったのです。

 


お蚕さん。