TVドラマでは「警察もの」が一昔前より巧妙に視聴者にアプローチしていますが、やはりこの法案に関係があるらしい。
案自体は、民主党政権時代から立ち上がっていたのですね

一昨日、「秘密保護法」に関するシンポジウムを覗いてきました。
$誰でも作家になれる! コラムニストのうちあけ話1000
↑意味はない。

田原総一郎、吉岡忍(作家)、青木理(ジャーナリスト)、清水勉(弁護士(日本弁護士連盟))、田島泰彦(上智大教授)、香山リカ(精神科医)、佐高信(評論家)、野中(アジアンプレス)、雨宮処凜(作家)ら。
メディアには載らなさそうな激ユニーク発言があったのでご紹介。個人的には弁護士 清水勉さんがベスト毒舌賞です。

長文ですが赤字の部分だけでもどうぞ。どうしても保護法は通ると思いますが、自衛のヒントもありそう。ヒミツ ヒミツ ヒミツ

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(この法案の本質はなにか)
●青木●アメリカからの要請と言われ、防衛&外交&安倍政権&右傾化とSETで語られるが、この法案を欲しがっているのは、警察官僚(≒内閣情報調査室という警察公安あがりの出島)だ。作っているのも振り付けも、主役は警察。「防衛」や「外交」は脇役。

「テロ対策」という言葉さえ唱えれば、警察情報のほぼ全てを秘密にできる。すると自動車ナンバー自動読み取り装置の設置場所が隠されるどころか、借金・酒癖・男女関係…一般市民を秘密裡に調べる権利が大きく広がる。これは新しい治安維持法だ。
戦後、公安はせっかく弱ってきたのに、911から息を吹き返そうとしている。

●金平●個人情報保護法ができた2002年頃からこの動きはあった。亡き筑紫哲也さんが言っていた「多事封論」だ。


(ジャーナリズムは、表現者は、市民はどうなる)
●雨宮●原発反対運動をはじめ、各種市民運動が打撃を受けるのは間違いない。何かの集会をしようと「共謀」し、人を「扇動」することが法に触れるというなら、自分は真っ先に逮捕され、失業する。

●香山●日本が「沈黙の螺旋」になっていくことが心配だ。

●吉岡●市民VS.市民の対立が始まる。
70年前は、うっかり軍艦をスケッチしただけで「スパイ」と言われた。今また、うっかり原発周辺の川の水質を調べるだけでスパイ扱いされかねない(周辺の水を止めれば原発テロなど簡単だと世界中が知った)そういう、人間のうっかりした弱さがあげつらわれる法だ。

●佐高●
安倍総理は日本を北朝鮮化させるのか。みんなの党や維新が修正案をと言うが、ポーズだけの偽装修正だ。
闘い方としては、公明党は世論の顔色を窺ってウロウロするので公明党をつつくしかない。
それから森雅子(法案担当相)や谷垣(法相)など個人をつつけ。谷垣は80年代のスパイ防止法には反対していた。当時の文書を橋本聖子に読み上げられ、「人間は日々進化する」とうそぶいたが。
皆つかまる覚悟で闘おう。こんな法で捕まったってどうだというのだ。

●田原●新聞等メディアは、反対の体で社説など書いているが、まともに特集を張って反対するものはない。及び腰だ。この数週間ようやく東京、毎日、朝日などで頻繁に取り上げられるようになったが遅い。
逮捕されたっていいじゃん。私は今度(11/29)の『朝まで生テレビ』で磯崎(首相補佐官・安保担当)という者をこてんぱんにやっつける。

●吉岡●戦後ぼくらは「国家」や「国民」をきちんと認識してこなかった。これらは公的書類で英語に直すと、ただの「people」なんだ。
菅さんが薬害エイズ問題で「国民」に頭を下げたとき、皆は拍手した。行政の一環だからと言うが、そういう「くくり」を外すのが民主主義ではなかったか?
「拉致」は北朝鮮の権力者がやっているのであって、「北朝鮮」がやっているわけでない。今回の法案も「国」が全面で取り締り「国民」は言うことを聞けという構造、それでいいのか?

●森●マスメディア、特に週刊誌はこの問題について仕事しない。中年のSEX特集なんかやっている。自分は危機感などというレベルは終わった。ジャーナリスム、表現、メディアは間違いなく縮小する。自分は今後違うことをするから、もういい。
●金平●いやシネシズム、シニカル、今回だけはそういう態度はダメだ。皆でがんばりましょう。
●堀●法案は通ると思うが、あきらめずに廃案にもっていこう。だれた管理職ではない、われわれ30代40代が、腐らずにやっていこう。

●岩波書店社長●
例の麻生発言(ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。わーわー騒がないで)・・・・これが今、保護法案の形で進行している。日本国憲法を、静かに殺していこう動きがある。
こんな発言をすると、今後は捕まるかな?(笑)

●元・三鷹高校校長(東大卒・大手商社出身)●
秘密保護法が施行されれば、私のように失墜させられる事例が増えるでしょう。これが実例です。
私の事例の本質は君が代斉唱問題などではない。
現法律(実施要領)で「校長が、教諭の業績を絶対評価する」となっているのに、都教育委員会からは「CかDを20%の教師につけろ」と言われた。
これは相対評価ではないか、おかしいと言っても取り合ってくれないので、マスコミに訴えたら、守秘義務違反と言われ、結局敗訴した。

最下位の成績を付けられた校長先生~元三鷹高校長への「報復」を認めた判決

メディアが騒がない土肥信雄元三鷹高校校長の敗訴


(戦争へのプレリュード?)
●野中●アメリカは、独立以来250ヶ国で軍事行動をとっている最大の暴力国家。この世界一の暴力国家と「同盟」を組み続けることが本当に安全か。
戦争は唐突におこるものではない、必ず数十年の助走がある。今の日本は1930年代の状態に近いのではないか。JFK大統領含む5人の大統領がウソをつき続け、ベトナムでは200万人の民衆が死んだ。戦争を起こす時、必ず国家は大きな嘘をつく。


●吉岡●
この法案は、日米軍事関係を強めるためのアメリカからの要請だと言われる。

戦後すぐにアメリカでも「スパイ法」が出来、ベトナム戦争についてペンタゴン自身が秘密裡に調査をした結果、虚偽まみれの戦争であったことがわかった。
「ペンタゴン・ペーパーズ」と呼ばれるその報告書を、ある研究員がニューヨークタイムズ記者に暴露した。研究員も記者も起訴されたが、当時のアメリカでは第3機関による調査が機能し、結局2名とも無罪。日本では、こんな機関は成立しない。

イラク戦争での「大量破壊兵器疑惑」も米国の虚偽だった。「シリア」に至っては、欧州はこぞって米の方針に協力せず、米は行き詰まっている。言うことを聞くのは日本だけ。基地出せ金出せという要求に対しNOと言ったことがない日本は、使い易い国。



(時代遅れと世界からも抗議殺到)
●清水●
安定政局において、こうした法整備をしたがるのはどの国、どの政権でも同じ。われわれ日弁連は、これが意味のある法案なら賛成するし、「情報の適正管理」は重要だと考えるが、全くの意味のない法案だ。しかも官僚の浅知恵で、この案についてわれわれを関与させない。

最初に法案の概要を見たら、なんと「紙ベース」の情報に関する法案設定になっていて驚いた。真面目にやる気があるのか。いま、情報のほとんどは「電子ベース」。すると条項は全く変わってくるはずだ。電子データの管理ルールさえ徹底整備できれば、人間への処罰ルールなんかいらない。私がそのような意見を言ったら、官僚たちは「いいね」「いいね」と言っていた。大丈夫なのか?

情報を取り締まりたいときは、人間の頭の中を調べましょう、取り締まりましょう、ではない。データはオンラインにあるのだから、オンライン情報の扱いをきちっとし、漏れを防げばいいだけの話だ。
こんな人間不信、社会不安を強めるような19世紀的な人間管理法をつくるなんて、世界に対し恥ずかしい。

「あなたは、自分の子供や生活を守るため、近所の人とサークルをするつもりですね?」…市民のこんな動きだけで公安警察が取り締まることのできる、日本にこれまでなかった法案だ。

●吉岡●
日本は、米国の例のようにはいかない(第3機関がこれほど機能しない)。皆が体制に巻き込まれる。体制側は日本はスパイ天国だと煽るが、そんなわけはない。だから国際団体が次々と、「なぜ日本に今こんな法律が必要なのか」と声を上げている。

●『創』編集長●
国際ペンクラブから出た声明文は異例であるし、ニューヨークタイムズや、国連関係団体など世界中の識者からこれだけ批判が出ている異様さ。海外の常識から見ても、異常な法案と言わざるを得ない

●清水●
アメリカからの要望だと言うが、「情報共有するために管理レベルを同じにしてほしい」と言われているだけで、処罰を含む前近代的法律を作れだなんて言われていない。

そもそもアメリカに追従している この日本を、どこのテロリストが狙うんだ。そんな頭の悪いテロリストがいるか。