スタッフの青木ポンチです。

総選挙投票日まで、はや数日となりました。
政策論議は詳しい方々におまかせして、別の論点から。

世のざわつきを反映して、今回はかつてなく新党が乱立しています。
小選挙区の場合、小党が乱立するほど第一党(今回だと自民党?)が得をする仕組み(=浮動票が分散するため)ですが、それでも僕は新党乱立を「歓迎」します。

価値観が多様化する中、そもそも二大政党のみが民意をすくいあげるのは無理があります。争点を単純明快化する「キャッチフレーズ選挙」(「郵政民営化」「政権交代」など)を避けるためにも、いろんな党と候補者がいろんなことを言い合うほうが、国民の意識向上にもいいことでしょう。

とはいえ、さすがに主張が錯綜しすぎて「よくわかんないから やっぱり自民党が安心だ」といった元も子もない選択を採りかねないので、各新党は独自色のアピールに躍起です。

維新の会などは力強いアピールが売りでしょうが、この混迷したご時世に明快なフレーズを叫ぶ者ほど危険でしょうね。

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90年代の政党乱立ぶりも、すごいですねえ~

今回は 勝手に、各新党の「党名」を診断することで、日本政治の成熟度を占おうと思います。

まず僕の考える党名のセオリーから。
●「新党」「未来」といったワードは、使いたくても使わない。
なぜなら、つけた瞬間から刻一刻と古びていく一方で、ポリシーとしてはなんら実体がないから。若者が「僕たち若いんです」というのと同じで、「…だから?」という印象。
同じく「維新」「改革」も、フレーズ倒れの可能性大。「新しければ、変わればいいの? 年寄りだと、古いとダメなの?」という不快感が付きまといます。

●政党名にも“文学”が必要。
「自民」「民主」「共産」といったベーシックな党名は、はじめはそれでもいいでしょう。でも後発組は、単純化や空洞化を極力避けるべきです。
なぜなら、後発政党はそれだけ「成熟した民意」(=文化度)を反映する必要があるから。あとから出てきたのに「国民新党」とか「新党日本」とか言われると、「…他にないの?」と寂しい気持ちになります。
心ある政党なら、文学性のある(=抽象度の高い)政党名にするべきです。50年後、300年後、後世の人々が「2010年代にあったこの党名、スゲエ」と目を見張るような…そんなスケール感で命名する党が、はたしてあるでしょうか?


かようなポイントを踏まえて、ここ数年の新党名で「こりゃダメだ」「こいつはいい」というものをあげてみます(ポリシー抜き、「党名」のみで判断しました)。

【ガッカリだぜぇ~】
1)減税日本
…シングルイシューはいいとして、「減税」を選ぶセコさ。しかもアメ玉的なフレーズを掲げただけで、「じゃ、財源は?」というツッコミに耐えきれそうもない。
2)新党改革
…「新党」でしかも「改革」。「何が新しくて、何を改革するの?」という実体はさておき、先走っているだけの印象。
3)日本維新の会
…「維新」という言葉を掲げる政治家は、基本的に信用ならない。

【ナイスだぜぇ~】
1)太陽の党
…腐ってもシンタローが文学者と感じさせた、スケールでかすぎる(≒意味不明な)党名。でもアッという間に維新と合流。単なる思いつきな党名だったというガッカリな結末に。
2)国民の生活が第一
…「党名じゃないじゃん!」と国民的ツッコミを浴びながらも、あの小沢サンが言うと、得もいわれぬ味わいが。また、何度も繰り返し聞くことで、自然と「国民の生活は第一かも」と思えてくるアファメーション効果も。合併して「日本未来の党」という凡百なネーミングに落ち着いたのは残念。
3)みんなの党
…はじめ「みんな」と聞いた瞬間はずっこけたものの、何度も聞くうちに「何かいいかも」と楽しくなってくる、包容力のある党名。


さて、いざ投票…党名はイマイチだけど、ポリシー的に「日本未来の党」かなあ…と思っていたところ、急きょ彗星のごとき新党が!
「新党 今はひとり」。文学性だけでいえば、ブッちぎりで1位。でも選挙後は、どうなっていることやら…。杉並区民としては、何としてもタローちゃんに石原Jr.狩りを成し遂げてほしいです。

タローちゃんの脱原発の軌跡『ひとり舞台』


これも面白そう『国会議員三ツ星データブック』