ジャーナリスト山本美香さんについて取材された内容・ご提供した素材が、22日~フジテレビ『知りたがり!』『スーパーニュース』『とくダネ!』などで使われました。

汗・涙・むくみでドロドロの自顔アップは参りましたが、堪えきれずに涙漏れした部分が使われなくて良かったです。冷静だった美香さんに申し訳ないです。


番組では、提供した素材を丁寧に編集してくれて、彼女の篤志を伝えてくださっていたと思います。


2009年9月『プロフェッショナルの唯言』インタビュー時 撮影/青木ポンチ 


直接インタビューでは「戦場に赴く際は自室を片づけない」彼女のジンクスについてお話した部分が、抜粋されました。


「(部屋を整理整頓し、思い残しをなくすと)“覚悟”のようなものができてしまう。そうして、より死に引っ張られるかもしれない」

そういう(死への恐怖が強いという)意味で、「向いていないかもしれないと思うほど、小心者でびびりです」とおっしゃっていたのでした。



ここは私の言葉足らずで伝えきれていなかったと思います。


何度も命にかかわる危険な目に遭った美香さん、当然「覚悟」はお持ちでしたが、不必要に死をアファメーションし、妙な方向に強化しないよう、心がけていらしたということです。


「戦場ジャーナリストだから覚悟の死」「死んで本望でないか」という論調もおおく見聞きしますが、どんなジャーナリストより慎重と言われた彼女は、幾重ものリスクヘッジを積み重ね、
「生きて帰って、伝える」ことを第一ミッションにされていました。



色々なメディアが、このシリア紛争に繋がる「アラブの春」について、そしてどの国がどんなポジションにいるかについて、報じています。

その中で、決してマスでは報じられないけれど「アラブの春 は、欧米諸国が仕組んでいるものではないか」という説があります。

欧米にとって、旧態依然とした中東首脳陣と手を結んで石油利権⇔軍事利権をやりとりするメリットが芳しくない時代に入った。

それよりもSNSなどを利用し一斉蜂起するポテンシャルのある大衆層へ向けてプロパガンダし、世論操作していくことが有効、と。



数行で書いては単純乱暴すぎますが、こうした仮定から「どの国がどの位置についているか」を見ると・・・

なぜ日本が、どこから郵政民営化や規制緩和やTPPを迫られているのか。

つねに、弱い人達の視点で取材・報道をしつづけた美香さんは、一体何に巻き込まれたのか。


原発0%に向けてのシナリオが検討されよう、というこの時期ですが、「核を保有すべき」「軍事力強化必須」と感じる人は増えるのではないか。



パズルのピースが浮かび上がってくるような気がします。もちろん私には組み立てられません。美香さんなら、豊富な情報量を基にした冷静な意見をおもちだったでしょう。




『プロフェッショナルの唯言』という企画は、いつか、このプロ達の本当の遺言になるかもしれない、そのくらい本気で聞きとろうという思いではじめましたが、
「なぜこういうタイトルにしたのですか」と、とくダネスタッフの方にも聞かれました。実際にこうなると、自分の身に刺さりますね。

それでも、生前の美香さんの思い、表情、意志をすこしでも多くの方に感じていただけたらと思っています。





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