マインドフルネスを使いこなすことによって集中力を強化するための本です。
難しい局面を乗り越えて結果を出す人ほど、意図的に立ち止まって、全体を俯瞰し、落ち着いて立ち止まっています。「いま」「ここ」で洞察力を働かせるために、あえて立ち止まることが必須です。
多くのビジネスピープルにとって、立ち止まって考えることは、難しいです。仕事やプライベートは忙しく、将来のための勉強時間も必要な日々の中で、立ち止まることを忘れてしまういます。
本当はいったん立ち止まってじっくり考えたいのに、立ち止まれない状態に我々は陥っています。結果を出せる人はそれでも立ち止まって考えることができます。
結果を出す人は、「知らない場所に来たらまず立ち止まって居場所を確認する」のです。彼らは
いまが難しい状況であるとしっかり気づき、焦って安易に反応することがないように、脳の神経回路が鍛えられています。
私たちはかつてないほど見通しの立ちにくい環境で生きて、道なき道を進むため立ち止まる時間が必要です。
リチャード・デビッドソン博士は、1万時間以上瞑想経験のある僧の脳の状態を調べる研究をしました。実験の結果、僧たちは誰よりも「幸せ」を感じていました。
「幸せ」を手に入れるためには、お金、外見、人間関係、名誉、達成など、自分の外側にあるものを手に入れなくてはならない、私たちは思いがちです。
さまざまな研究を重ねた結果、「幸せとは、楽器を弾けるようになるのと同じように、訓練し、習慣化できるスキルである」と述べ、その訓練方法として、マインドフルネス瞑想をすすめているのです。
どれだけ大きな富や成功を手にしても、自分の中からわき起こる「幸福感」を感じとることができなければ、その幸せは長続きしません。
持続的・安定的に幸福感を得るためには、瞑想を含むマインドフルネスの実践が有効です。
継続した瞑想によって脳の左側前頭前野の活動を高め、右側前頭前野の活動は沈静化させることができるようになり、自分の内側から「幸福感」を生み出すことができます。
それは誰でもマインドフルネスの実践によって開発できる脳の機能によるものなのです。
