週2回、京都から大阪まで電車で通い始めて早2ヶ月。


昔は激しく酔っていた電車での移動は最近になってさほど苦でもなくなってきた。
関西圏を走る鉄道の多くは、特急料金を支払う必要がない。
京阪も、阪急も、阪神も、JRも。
しかもこれらの電車はいわゆる横並びの六~七人掛けのシートではなく、二席二列の縦列シートであるため移動が非常に快適である。


ところで、最近ある異変に気付いた。
それは帰国直後からだろうか、現在に至るまで幾度となく起こり続けている。


「隣が常に空席」


そう、私が座る席の隣。

そもそも私はいつも二人掛けの席の窓側に座る。
通路側を空けていないと、他の人が座りにくいからだ。
それくらいの常識は弁(わきま)えている。
楽器も落下してこないよう網棚の上にしっかり据え置き、カバンも必ず足元に置き大人一人分のスペースを十分に空けて座る。
因みに電源OFF車両や優先座席付近でも必ず電源を切る、いわゆる「優良乗客」である。

昼でも、夜でも、晴でも、雨でも、寝ても、覚めても、通勤ラッシュの時間でさえも、私の隣には誰も座らない。

そして今日も、私の隣はしっかり空いている。


そう、まるでそこに誰かが座っているかのように…。