日曜日 朝6時すぎの電車の中
あせった表情でスマホを耳に当てて話すショートカットの女子高校生
『うん。うん。ごめん。』
『ギリギリ間に合うかも』
『うん。ほんまにごめん。』
『うん。じゃ正門のところで待ってる。』
『うん。ほんまにごめんなさい。』
『うん。お願いします。』
話の内容からすると、部活動で使うための何かを家に忘れてしまったみたい
どうやら電話の相手はお父さんらしい
困っている娘さんと
頼られてちょっとうれしいお父さんと
きっとお父さんは張り切って張り切って、娘さんに指定された場所に忘れ物を届けに行く
娘の、ホッとした顔を見たいがために
張り切って張り切って届けに行く
もう20年近く前のあの日の自分を思い出しながら
急いで家を飛び出すであろうお父さんの姿を想像したりしてみた。