こんなかんじです。中身は一緒ですから、琉球新報の見出しだけ見ていきましょう。
「県政与党大勝、過半数２７議席 沖縄県議選 辺野古反対派は３１人」
「知事「大勝利」、辺野古阻止へ重ねて決意 沖縄県議選結果受け」
「県政与党が２７議席獲得 翁長県政の安定運営に弾み 沖縄県議選」
もう大本営発表しちゃっていますね。
本土でも、毎日新聞と朝日はこの調子です。
「これが民意」反基地訴え知事与党大勝」
「翁長知事支える与党勢力、３議席増 沖縄県議選」
この報道を見る限り、翁長陣営の完全勝利と見えますね。翁長支持が完勝して、自民党はコテンパンに叩きのめされた、という印象です。
では、ほんとうの「民意」はどうだったのでしょうか。
党派別議席数グラフです。
ガー、ハハハハハハハハハハ！失礼ながら、大爆笑ものですよ。
だって、「歴史的大勝利」をしたはずの翁長連合軍は、すべてズタボロなんっすから。
改選前と後の議席数を比較しましょうか。
●翁長与党議席数推移
・共産党・・・７⇒6（１減）
・社民党・・・８⇒6（２減）
・社大党・・・５⇒３（２減）
・民進党・・・０⇒０(減りようがない※壊滅※)
・与党減少議席数計・・・７議席
与党が増えたように見えるのは、諸派」と「無所属」が増えたからです。
・翁長支持無所属・・・１⇒9（8増）
・諸派2⇒3(1増)
一方、野党側をはどうだったでしょうか。
●翁長野党議席数推移
・自民党・・・１３⇒１３（増減なし）
・公明党・・・４⇒４（同上）
・おおさか維新・・・２⇒２（同上）
以上を見て、
「県政与党大勝利」(琉新）、
「知事与党大勝」（毎日）
と言ってのけられるメディアがチョー羨ましかぁー。
冷静に観察すれば、翁長与党勢力は左翼政党が軒並みに減少した格好っすよ。
与党が勝ったように見えるのは、既成左翼政党がへこんだ穴を「無所属」が埋めたからにすぎないんですぜ。
無所属の内実は分かんないけど。
私の住む地域も含めてですが、国政選挙と違って、地域選挙の候補者が支持政党を明確にしない場合は大して珍しくないのです。
それは、「政治的色眼鏡で見られたくない。オレは地域の利益代表なんだ」という候補者の心理があるからです。
いわば風見鶏です。今は県政与党についておくほうが、地元に利益を分配できるから与党側にいるという議員も大勢いるはずです。
だから「無所属」を、上のグラフのようにキチンと区別してしまうのは、ほんとうは難しいんだよなぁ。
極左もいれば、翁長直参の新風会系もいるでしょう。自民党系も公明党系もいるはずですし、「情勢次第で旗幟を鮮明にする」という人も多いでしょう。
翁長政権与党に区別されても、とりあえず、今は与党についておこうという人たちか主流のはずです。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/06/05/okinawa-pr...
さて熾烈な選挙戦と伝えられましたが、結果だけ見ればべた凪選挙でした。
投票率は５３・３１％で、過去最低だった前回から０・８２ポイント上がりましたが、低調でしたね。。
これだけ米軍関係の失態が続き、怒りの燃料がこれでもかとばかりに投下され、選挙日前夜には、あろうことか米軍兵士が泥酔運転で人身事故。
バカヤローとテレビに怒鳴った、保守の方も全国に沢山いたことでしょう。この私もそうでしたが直ぐに冷静さを取り戻しましたがね（笑）
全国のメディアが、連日絶叫調で煽ったにもかかわらず、この結果ということは、チョー興味深いことです。
ただひとつ明確に言えることは、翁長の政治家としての求心力の急速な衰えです。
たとえば、最大の激戦区だった那覇市・南部離島区を見てみましょう。http://ryukyushimpo.jp/news/entry-292297.html
ここは翁長が、那覇市長時代の子飼い2名を立候補させた地域です。
定員数11名に、18名が立候補しています。
自民党は現職１と新人３の計４名を立て、共産党は現職2名を立てていました。
さて結果はというと、これ～！
・那覇市・南部離島区
・自民当選 ・・・3名
・共産当選 ・・・2名
・新風会当選 ･･･0
この新風会2名はともに、翁長について自民党を裏切って(ホントに裏切ったん？)、仲井真陣営の切り崩しに奔走したバリバリの翁長直参組でしたが、翁長の地元でもまったく歯がたたなかったというわけです。
翁長が求心力を持っていれば、たかだか2名の子分くらい押し込めなくてどーすんの。
このように分析するとわかってきたのは、翁長の知事就任当初のカリスマもどきのオーラはもはや消滅寸前であーる！ということです。
一見翁長が「大勝」したかに見える今回の県議選は、皮肉にも自民の強さを再認識させる一方、左翼陣営の分裂傾向と翁長の凋落を露わにしてしまったのかもしれないということ。
これだけ強力な米軍の「直接支援」を受けながら、勝てない翁長。
これでは地元2紙と全国メディアの「勝った」「勝った」の大本営発表に頼るしかないのでしょうね。
これは今年1月の宜野湾市町選でもあるように、翁長率いる「オール沖縄」の保守＋革新という建前が、今や誰の眼にも偽装表示だと改めて理解されてきたということは疑いようがあるまいでしょうね。
しかも、那覇市で新風会が共産に食われて2名も落ちるとはね(苦笑)